性的描写が必ずと言ってよいほど登場する村上さんの小説。
妻が嫌がるため、妻とのドライブ中に一緒に聞くことはできず、こちらはランニング中に聞いた。
主人公は裕福な時代に生まれた珍しい一人っ子で、小学生時代に孤独を感じながらも、同じ一人っ子の「島本さん」と親しくなり、特別な時間を過ごす。しかし中学進学後に疎遠になり、その後主人公は恋愛や結婚を経て事業を成功させ、娘二人とジャズバーを経営する幸せな生活を送る。ところが、25年ぶりに「島本さん」が現れたことで、主人公の平穏な日々が徐々に崩れていく、というようなあらすじ。
男性の本性をあらわに描写しつつ、その表現が繊細であるところに、村上さんの小説は読ませるところがある。
ただ、本書はいわゆる恋愛小説であり、恋愛が自分の生活や思考の中でほとんど占めることがなくなった今、没頭して読むことはなかった。
それでも、男性心理の描写がうまく、神秘的で謎めいた「村上ワールド」は健在。
最近、小説を書きたいという思いがあり、文章の書き方や表現を意識しながら読み進めた結果、
最後まで楽しむことができた。
