何かと話題になっていた本書。
旅行中の長いドライブでどのオーディオブックを聞こうか妻と相談し、この本を選んだ。
どんな話か全く予備知識がないまま聞き始めたが、想像以上にシュールな物語だった。
さらに、それが日本人作家による作品でありながら、
日本とは反対側で戦われていた独ソ戦を史実に基づいて描いているであろう点にも驚かされた。
女性スナイパーの存在を初めて知ったのも、本書を通じてだった。
また、独ソ戦線の状況についても、これまで知る機会がほとんどなかったため、勉強としても有意義だった。
何よりも、ストーリーの構成が充実しており、
人間の感情の複雑さや、運命の不確実性に翻弄される人々や組織を多面的に描いている点が印象的だった。
著者は、この本を書くにあたり綿密な調査を行っただけでなく、
人々の感情の繊細さを丁寧に表現しており、その努力の跡が随所に感じられる。
読んで良かったと思える一冊だった。
