オーディブルで合計24時間の大作、松本清張の「日本の黒い霧」。
長かったので、途中で話に入り込めなかったところも多分にあるが、
取り扱っている事件がいずれも興味深く、
さらには自分にほとんど知識のないことがらで、
当時の時代背景含め勉強になった。
やはり最初の下山事件 (下山国鉄総裁謀殺論) が
いきなり小説で出てくるような事件で惹きつけるところがあった。
日本が連合国軍の占領下があった背景や、
下山氏が国鉄総裁になった経緯、そして不可解な下山総裁の失踪。
運転手の証言もまさにミステリー。
いずれも戦後まもなく起きた事件の数々だが、
ここで描写されている人間模様や行動様式は、
現代でも全く同じようなことが起きているだろうと想像できる。
人間はそういった意味での進化は、せいぜい60-70年というスパンだと、
ほとんど見られないということなのだろう。
ここまでの粘り強い松本清張の情報収集と探求力、
そして、それを文字にする表現力に感嘆させられる。
こうしたミステリーや社会構造の中に人間の掛け合い、そこから生じるミステリーが、
松本清張のライフワークであり、それに没頭した人生だったのだろう。
上巻:
1) 下山国鉄総裁謀殺論
2) 「もく星」号遭難事件
3) 二大疑獄事件
4 ) 白鳥事件
5) ラストヴォロフ事件
6) 革命を売る男・伊藤律
下巻:
7) 征服者とダイヤモンド
8) 帝銀事件
9) 鹿地亘事件
10) 推理・松川事件
11) 追放とレッドパージ
12) 謀略朝鮮戦争
13) なぜ『日本の黒い霧』を書いたか

