ずいぶん昔から家の本棚にあった本書。

気になってはいたものの、結局手をつけられず、

オーディブルで聞けることを機に、気軽な気持ちで手に取った。

 

気軽に聞くには内容が重い。

ただ、本だとすべてを読み終えられなかっただろうと思うと、

オーディブルで聞けたのはよかった。

 

「私は誰か」という問いから哲学的思索について、

古代ギリシャの哲学者の主張からはじまり、近代西洋のカントやヘーゲル、マルクス、ダーウィン、サルトルに至るまで、

どういったことが議論されてきたかをたどっている。

 

書評をするほど、本書で書かれていることの内容が理解できているとは言えない。

そのためには何度か読み返す必要があるだろうが、そこまでの気力が出てこないだろう。

ただ、概観をおぼろげながら辿ることができたのはよかったし、

今後どこかで自分に気付けることがあるかもしれない。

 

実際に本書を読み終えたあと、サルトルの「存在は本質に先行する」が気になり、

それに関連する書籍を読むことができた。

こうして自分の興味関心の領域を広げるきっかけになっただけでも万々歳なのだろう。

 

印象に残ったのは、常に神の存在が意識されてきたこと。

本書では西洋の哲学者のみが取り上げられているため、これは自然なことかもしれない。

 

そして、その神の在り方も、科学的には証明できることではなく、

だからといって「神は存在しない」と簡単に結論づけることはできない。

その科学自体も、本質や実態と言えるのか、

科学的に証明できない神の存在を生きる上での概念として成立させることには一定の合理性があるのではないか、

という問いが興味深かった。

 

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  • 哲学の授業は、アルベルト・ノックスからの「あなたは誰ですか?」という手紙から始まる。
  • ソフィーは「私は誰か」という問いを考える。名前や存在の認識に関する疑問を抱く。
  • 動物は自分を問い直せないが、人間は存在の意味や死後の世界について考える。
  • 次の手紙では「世界はどこから来たのか」が問われる。ソフィーは答えを知らないが、問い続ける価値を見出す。
  • 宇宙や世界の起源についての疑問は、「鶏が先か卵が先か」に似た難問。
  • 哲学は人間の好奇心から生まれる。哲学の語源は「知恵を愛すること」。
  • 神話は世界の起源を説明してきたが、初期のギリシャ哲学者たちはそれを批判した。
  • 自然哲学者たちは、神話的思考から経験と理性に基づく思考へ移行。自然界の変化に対する超自然的説明を否定。
  • パルメニデスは「変化は存在しない」と主張。一方、ヘラクレイトスは「すべては流れる」と反論。
  • ヘラクレイトスは、相反するものが世界を成り立たせると考え、弁証法の起源を提示。
  • パルメニデスは感覚を否定し理性を重視。ヘラクレイトスは感覚を重視。理性と感覚のどちらを信じるかが哲学的課題に。
  • 自然哲学者たちの後、ソクラテスが哲学史の新たな段階を切り開く。
  • ソクラテスは著作を残さず、プラトンの記録からその思想を知る。
  • ソクラテスは「自分が何も知らないことを知っている」と認識し、真理の追求を重視。
  • ソクラテスは他人に教えるのではなく、対話と質問を通じて哲学を実践。
  • 市民との議論を通じて、善悪や道徳に関する探究を行う。
  • ソクラテスは哲学者を「知恵を愛する者」として定義。
  • 古代ギリシャ・ローマ帝国の終焉後、ヨーロッパはキリスト教中心の中世へ突入。
  • 中世でもギリシャ哲学は完全には失われず、神学を通じて継承される。
  • 聖アウグスチヌスはキリスト教教義とプラトン哲学の調和を図り、「キリスト教化」されたプラトン哲学を提唱。
  • アウグスチヌスは、理性の役割を限定し、神の照らしによる魂の理解を重視。
  • 普遍と個別の関係についての議論が聖アウグスチヌス以降300年以上にわたり継続。
  • 唯実論派(例: トマス・アクィナス)は普遍を独立した実体と捉え、神を全自然の創造者とするアリストテレスの思想に近い立場を取る。
  • 名唯論派(例: ロスセリン)は普遍の客観的現実性を否定し、個々の知覚物だけが実在すると主張。
  • 名唯論は、個々の信仰や国の信頼性を強調し、神権制度に反発。
  • これらの議論はルネサンス運動や宗教改革の基盤となる。
  • 14世紀に始まるルネサンスでは、人文主義が復活し、哲学や科学が神学から切り離される。
  • 宗教的生活と理性の関係が自由になり、芸術や科学が急速に発展。
  • 1543年、ニコラウス・コペルニクスが『天動説』を発表し、宇宙観に革命を起こす。
  • 8世紀末の新時代

    • ロマン主義の台頭:詩、哲学、芸術、科学を包括
    • 啓蒙時代の理性崇拝への反対として始まる
    • カントの影響継続、自我の知識貢献を強調
    • 芸術を通じて「物自体」に近づく試み
  • ロマン主義の思想

    • スローガン:「感情」「想像力」「体験」「憧れ」
    • 芸術が「言葉にできない」経験をもたらすと信じる
  • 代表的な人物

    • 音楽家:ベートーヴェン
    • 詩人:バイロン、シェリー
    • 哲学者:シェリング(自然と心を「絶対」に結びつける)
  • ヘーゲルの哲学

    • ロマン主義を統一・発展させる
    • 「絶対精神」:普遍的で独立した第一実体
    • 歴史と知識の発展を「弁証法」として捉える
  • 歴史観の変革

    • カント以前の普遍的基準探求から歴史的変化への移行
    • 弁証法の3段階:例として合理主義(デカルト)→経験主義(ヒューム)→統合(カント)
  • 絶対精神のプロセス

    • 論理→自然→精神の段階
    • 最終的には自己認識と絶対的統一に至る
  • マルクス主義の発展

    • ヘーゲルの弁証法を基に「歴史的唯物論」を提唱
    • 社会の経済基盤が上部構造を決定
    • 階級闘争が歴史発展の中心
    • 資本主義の矛盾による社会革命の予測
  • 自然主義と科学の影響

    • ダーウィンの進化論:「自然淘汰による適者生存」
    • 創世記への挑戦
  • 実存哲学の潮流

    • ニーチェ:「神は死んだ」
    • サルトル:「存在は本質に先行する」
    • 人間の自由と責任を強調
  • 第一部で、哲学の基本的な問題と自然哲学者、ソクラテス、プラトン、アリストテレスを紹介。
  • 第二部で、聖アウグスティヌスの神学、中世のスコラ学派を取り上げ、その後、ルネサンスとバロック時代に移行。
  • 近代哲学はデカルトから始まり、合理主義と経験主義の対立が激化。カントが論争を終結させる。
  • 第三部では、啓蒙思想への反発として生まれたロマン主義と、ヘーゲル、マルクス、ダーウィン、サルトルの理論を議論。
  • 情報爆発の時代において、知識へのアクセスは容易だが、情報を適切にフィルタリングする能力が欠如している。
  • インターネット上の情報に慣れ、重要なことを見失い、麻痺してしまう危険性がある。
  • 「私は誰か」「私はどこから来たのか」「私はどこへ行くのか」などの問いが哲学的な問題であると認識し、無視されがち。
  • 現代の世代は情報が豊富であるが、独立した思考能力が不足している。
  • 哲学とは「知恵を愛する」ことであり、無駄ではなく人間の根本的な好奇心から生まれる省察である。
  • 哲学は私たちの存在にとって欠かせないものであり、人生を再評価する助けとなる。