歳のせいか、最近重たいアンプの移動が億劫になってきました。ふと、R120の音が聴きたいなーと思っても、シャーシの重さが頭をよぎり思い留まってしまうのですよ(笑)

いまサブシステムで使っているのはEL34/350Bシングルアンプですが、コンパクトでアルミシャーシなのでそんなに重くありません。しかしR120アンプのシャーシは元々実験用に作ってもらった特注品の鋼鉄製なのでとても重いのです。

R120シングルアンプ

EL34/350Bシングルアンプ、写真は350B

R120の音は聴きたいがシャーシが重い。しかも前段が6SN7GTや6J5Gを使っているのでゲインが低くて、スピーカーの出力音圧レベルが低いと厳しいです。

JBL 4312XP場合は93dBあるので何とか聴くことが出来ましたが、パイオニアのスピーカー S-LH5aの出力音圧レベルは90dBなので音量的に辛いです。

以前撮ったJBL4312XP

そこで閃いたのですが、今使っているEL34アンプは先日前段のECC82 を→ ECC83に変更して出力がアップしています。
ならば、このEL34/350BをR120に変更すれば出力も大きくなり、シャーシの重さも軽減できて一石二鳥なのではないか?

回路を確認したら、球の共通点が多くて簡単に移行出来そうです。ソケットも同じで、ピンの配線もほぼ同じでなので助かりました。変更したのはR120のカソード抵抗だけで済みました。

プレート電圧は電源トランスの関係で少し上がりましたが、プレート電流は殆ど変わらなかったので大丈夫そうです。



完成したR120シングルアンプ


・試聴した機種
カートリッジ : 中電 MG‐3675
プレーヤー : LINN LP12
フォノイコライザ : LUX LXV-OT10
スピーカー : パイオニア S-LH5a







・試聴したレコード
荒井由実「ミスリム」
ジェイムス・テイラー 「マッド・スライド・スリム」
ジョン・コルトレーン 「バラード」






・試聴の感想

全体にタイトな感じで高域は伸びていますが、低域は少し腰高で量感が少ないです。曲によっては硬質で耳が辛く感じます。

MullardのEL34からR120に変更したことでタイトになるだろうと思っていましたが、予想どおり硬質になりました。

しかし、原因は球の交換以外にもありそうです。

①カートリッジが中電 MG‐3605(丸針)から → MG‐3675(楕円針)の替わってます。

②アンプの下に敷いてある御影石

さて、どうしたらいいものか?


あっ! そう言えば、先日LUXのフォノイコライザ「LXV-OT10」の真空管をMullard製ECC82から → 英BRIMAR製 CV491に交換したんだった。
あの時はEL34アンプをタイトにして音の細部の粒立ちをハッキリさせるのが目的だったので、今回はその逆にすればいいかも知れません。

Mullard ECC82

早々にECC82をMullardに差し替えて、再度試聴してみました。

おー、これなら少しタイトではありますが、バランスもいいし音の硬さも問題なさそうです。

カートリッジがMG‐3675に替わったこともあり、レンジが広く解像度も上がってますね。ちょっと線が細くなりましたが、高域の伸びがあり余韻が綺麗になってます。低域の迫力は減りましたが、十分低い所まで再生出来ていると思います。

Mullard製EL34は、ヴォーカルの音像は少し大き目ですが質感がよくて、量感のある低域で包み込むような空間が魅力です。ジェイムス・テイラーの声とアコースティックギターにうっとりしてしまいます。アコースティック系やクラシック向きかな。

R120は、ヴォーカルの口は小さく定位音像がいいです。バックの楽器との分離も良好で、シンバル音の粒子は細かく聴こえました。コルトレーンのサックスの響きがリアルに聴こえますね。Jazz、ロック、ポップス向きだと思います。

左側がR120、右側がEL34

R120はフランスの真空管ですが、2A3のような3極管の音と独特のスパイスが効いた魅力がありますね。

今回一番驚いたのは、LUXのフォノイコライザ「LXV-OT10」の真空管ECC82の交換による影響力です。
オペアンプをmuses03に交換した時も、その変化と音質の良さに驚きましたが、真空管でこんなにも大きく音質が変わるとは思っていなかったので正直ビックリしました。

オペアンプmuses03

真空管の球転がしは、時にはアンプを替えたぐらいの変化をもたらします。実に面白く、魅力的だと思っていますね。

最近の真空管の高騰には頭が痛いですが、手持ちの球と手頃な球を手に入れて遊んで行きたいと思っています。