20年以上前に友人に頼まれて作ったムラード製EL-38シングルアンプが、修理のために持ち込まれて来たのが5月の連休前でした。
球のトッププレート部分の接着が取れてしまったと······で、これを期に手持ちが多数あるEL-34系のアンプにしてほしいとのこと。

友人が持って来たシャーシを見てあ然とした。シャンパンゴールドだったシャーシがブラウンになっている。
友人はハードスモーカーなのである。シャーシの中も見たが、すっかり黄ばんでいる。

パートリッジ製の出力トランスを取り外したシャーシ

カップリングコンデンサを高音質な物に交換しようとしたが、タバコのヤニのせいでハンダがのらない。
ラグ端子をいちいちヤスリで擦るのも面倒だし、ヤニだらけのシャーシでは気分がのらない·······。

その旨を友人に話すと、思い入れがあるパートリッジ製の出力トランス以外は替えていいそうだ。

どうしょうか思案しているうちに5月も中旬になってしまった。
悩んだ結果、我が家の使ってないアンプに出力トランスだけ移植することにした。

天気の良い日は家庭菜園が忙しいので、雨の日限定で加工、音質調整をした。
結果、何とか5月中に完成することが出来た。






音質確認をしたが、やはりパートリッジ製の出力トランスは、国産とも米国製などとは音質が違うようだ。

国産は色付けが少なく、比較的フラットな物が多いように思う。個性があまり感じられない気がする。
米国製は、明るくメリハリが効いているもが多い。個性があって面白いと思う。
英国製はパートリッジ製しか聴いたことがないが、英国製の真空管と似た傾向があるように感じる。ムラードやブライマー等の音と通じるものがあります。

今回のアンプに使用した球は前段がムラード製ECC82、出力段がシーメンス製EL-34、整流管がムラード製GZ-32です。
本当は出力管もムラード製にして英国製でまとめたかったが仕方がない。友人が持ってるのがシーメンス製、テレフンケン製、フィリップス製、ロシア製だったので、試聴して一番好結果だったシーメンス製にしました。
取りあえず欧州でまとまったのでいいかな。


音質は高域は程良く伸びていて、中域は厚いが音の見通しは悪くない、低域は米国製のように締まった低域ではなく少し量感があります。
レンジはそんなに広くかまぼこ型のような感じ。
解像度も高くはないが、不足を感じるようなことはありません。
バランス良く聞かせてくれます。ヴォーカル等の質感は、若干ウエットな感じがするのでブリデッシュ系の音楽や、日本のフォークソングなどが合いそうです。