現在、
『フィンランド教育 成功のメソッド
日本人に足りない「実現力」の鍛え方』
諸葛正弥・著
という本を読んでいる途中です。
日本は「ゆとり教育」を導入して失敗したと言われていますが、
フィンランドは「ゆとり教育」で成功した国だと言われています。
『フィンランドの教師が基本的に大学の修士号を持っていることや、
教師の競争率が何十倍にも及ぶこと、
そして教師になってからもトレーニングが盛んにおこなわれていること』など、
その成功の理由・日本と違う点は本書でも語られていますが、
本書に書いてあるメソッドと、
寺子屋アテネの指導方法でか被る点がいくつかありそうなので、
本書を読み進めながら、少しずつ紹介していこうと思っています。
本書の『■「聞こえている」と「聞いている」の違い』の章では、
先生の説明を聞くことと、板書を書くことを切り離して、行動にメリハリをつけることが大切だと書かれています。
先生の質問を聞きながら板書を書くことは、ただ話が「聞こえている」だけの状態であり、
そこに自身の意見や、疑問といった思考が入り込む余地はありません。
それが、「なぜ」「どうしてそうなるか」を考える姿勢を奪い、
「与えられた情報に頼りすぎる」傾向を作っている、と著者は述べています。
寺子屋アテネでは、
昔から、入塾した子にまず真っ先に伝えることは、
「ノートは先生の話が終わってから取りなさい。」ということです。
「なぜですか?」と答える生徒には、
「ここにはノートを取りに来たのではなく、話を聞きに来たからですよ」
と塾長は答えています。
先生の説明を集中して聞き、
自分の頭できちんと考えること。
話を聞いて情報を整理し、自分の中に落とし込むこと。
話の中で疑問を感じ取り、質問すること。
それらのことに、重きを置いているので、
必ずノートは先生の話を聞き終わってから取る方法を取っています。
話を聞きながらノートをとる学校のやり方に慣れた子たちは、
最初は戸惑っていたり、落ち着かなさそうにしていますが、
次第に、先生が話始めると、その時している動作をぴたりととめて、
真正面から先生の話を聞くようになってゆく子が多いです。
また、本書の内容に触れながら、
寺子屋アテネの授業がどのようなものか?
様子をお伝えできたらと思います。
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寺子屋アテネは、三重の桑名で75年以上続く老舗の学習塾です。
小学生を中心に、現在の塾では珍しく、学年別の授業形式で行っています。
カリキュラムは長年の実績に基づく独自カリキュラムを組んでおり、
小学生の生徒さんからは、学校で教えてくれないことまで教えてくれるから楽しい!
と感想をいただいています。
たくさんの本に触れ、自分の思いや考え、気づきを文章で表現する「読書(国語)」
の授業と、
他社と競争することなく、良問とじっくり向き合い、自分の頭で道筋をもって考える力をつける「数学(算数)」
の授業を行っています。