「大海を知ってからが勝負」というお話。
井の中の蛙、という言葉がありますが、
大海を知ってからが勝負だと、
個人的に思っています。
私が子供の時、このアテネに通っていた同年代の子に、
すごく数学のできる子が居ました。
高校も一緒だったのですが、
全国模試で名前が載る程度には
数学が得意で、
今は研究職をしているのですが、
その子の話を後からアテネの先生に聞くと、
「見ず知らずの同年代には自分よりもっと難しい問題を解く人が
ごろごろいる、と常に思って勉強に取り組んでいたと言っていた」
という話を聞きました。
その子はきっと、おそらく中学、高校で既に、
「大海を知っていた」か
「大海を想像できていた」のだな、
と思います。
それに比べて、中学の頃成績が良かったくらいで浮かれていた私よ…。
平家物語を小学校の頃に授業で暗記して、
その音の響きが綺麗で好きでしたが、
「奢れる人も久からず」
とはよく言ったものです。
暗記はしていたけれど、まったく子供のころは平家物語から
何も学んでいなかったな…と思います。
子どもの頃は、多くの子が、自分が王様です。
でも、どんな子でも、いずれは遅かれ早かれ、
「大海」を知ることになる。
そこから、
どうにか大海で生き抜く術を身に着けるのです。
その時に、必要になってくるのが
不要なプライドや自尊心を捨てて、謙虚になることと、
諦めず、学び考えることだとだと思います。
世の中は優しくも厳しい。
そんな中、社会で生きてゆく力は多岐に渡りますが、
その中で、「考える力」をつけるお手伝いができたらと思います。