この問題は少ない内容ですが、経済を知るうえで非常に大事な内容です。ここをしっかり理解できれば、あとから来る上級編に対して非常に楽に理解できます。そういう心づもりで内容を把握しましょう。
いきなり問です。
問 「インフレーション」に関して当てはまる文章をすべて選びなさい。
A インフレーション状態では物価が上がるため、給料が変わらなければ生活は苦しくなると言える。
B インフレーション状態は貨幣の価値が下がる。
C インフレーション状態では、景気は上向きになる傾向にある。
D インフレーション状態になれば、円安に向きやすく、輸出が増加していく。
E インフレーション状態では貯蓄が減少する傾向にある。
F インフレーション状態では株や土地などの資産を所有していたものには好影響 である。
ここでは解答をする前に、インフレーション・デフレーションについてよく理解していこう。
インフレーションとは何か。君たちの理解は「物価が上昇する」であろうか。実はそれだけでは、本当の姿をとらえられない。インフレーションを正しくとらえるために、例を示していこう。
例
リンゴが5つ・お金が1000円しかない世界を考えよう。
この世界ではリンゴ1つで200円になるね。価格は何で決定されるのか。需要と供給の話では、リンゴの数が増えると・・みたいな話はしたよね。リンゴが2個になると1個500円だ。かたや、お金が2000円に増えるとどうなるか。リンゴ1つあたり400円になるね。世の中のお金の量が増えるとモノの価格が上がる。これがインフレーション。このように、価格はモノとお金の関係性で決定される。そうなると、「物価が上がった」ことは「モノに対してお金の価値が下がった」と見られる。
お金の価値が下がれば、1つのモノの価値を充足させるために多くのお金が必要になる。ということで、モノの価格が上がったように見える。
「インフレーション」→「お金の価値が下がる」と覚えよう。
これがわかると最初の問いがわかる。
A これは、そのままその通りである。物価上昇と給料が上がるのが同時であれば全く生活には関係ないが、給料が変わらなければ生活は苦しくなる。
B 解説通り。
C お金の価値が下がると、「それじゃあ貯金したってしょうがない」と思うから、みんなお金を使おうとする。よって景気はよくなる傾向にある。
D これはまた詳しくやるが、「お金の価値が下がる」→「円の力が小さくなる」→「円安」と考えよう。そして円安は輸出を促進させる。
E 先ほど説明しました。
F お金の力が落ちるので、インフレーションの前に資産に変えてしまった方がいい。なので、資産を持っている者には好影響である。ちなみに、同じ理由でインフレーションの時は借金をするべきだ。お金の力が弱まるので、実際の額よりも負担は減少する。
これらを参考に、解説。
問2 ア 「負債額の実質増加」とは、「お金の価値が上がる」ということです。インフレーションの逆のデフレーションである。インフレーションの逆はデフレーションで理解しよう。
イ 「貨幣価値の下落」「預貯金額が目減り」はインフレーションですね。
ウ 負債額の軽減はインフレーション
エ これは少しまどろっこしい。「家計の実質購買力上昇」って何か。「お金の力が上がる」ことを示している。だから、一瞬だけモノを買うときに有利に見える。しかし、インフレーションと逆で、「もう少し待てばもっとお金の価値が上がるのでは」と考え消費を控える傾向になる。ということで不景気にいずれ向かう。
オ 土地や株式などの資産を持つ家計は、インフレーション時は有利である。
カ 負債が実質的に大きくなるのはデフレーション時である。
問3 経済の複雑な仕組みで、不況期時でのインフレーションは「スタグフレーション」という。不況でみんな苦しい時に物価が上がり続けることがある。これは、世界恐慌時に起こったこと。市場では回復することが難しい事象だ。