4月からのニュース
今回取り上げるニュースは2つ。
① 石油の値段が急落
② ABC予想京大望月教授が証明
①石油価格が急落
2020年初めには石油1バレル(約159ℓ)あたり60ドルほど、低くても50ドルで推移していたが、2020年4月下旬の相場は1バレル当たり20ドルにまで急落した。約3分の1まで下がったのだ。石油で商売していた人たちにとって、商品の値段が3分の1になったのだから、ウイルス自粛同様非常に苦しい状況だ。
原因は、世界的な人間の活動が少なくなったことがある。つまりはウイルスの影響だ。人間の活動が少なくなり、石油を使う機会が少なくなった。つまりは石油の需要が少なくなったということ。これで、石油の値段が下がったのだ。
しかし、これだけの理由ではない。そもそも石油は「なまもの」なので、あまり保管を長くできない。だから掘り出してしまえば使わないといけない。簡単に供給量は変えられないのだ。さらに、サウジアラビアやイランといった産油国は、規定を無視してまでも石油を増産して、安くてもたくさん売って、お金を稼ごうと活動している。そしたらますます石油が余ることになり、石油価格の暴落につながった。
これによって、石油関連の企業が国際的に苦しい状況になり、不況の背中を押す要因ともなっている。さらには、ロシアとアメリカは実は世界でも指折りの産油国であるため、この影響をもろに受けている。5月に入ってすこしは値が回復するだろうが、経済を見る上では注意しておきたい動きだ。
②ABC予想京大望月教授が証明
京都大学の望月教授が4月3日に発表した論文で「ABC予想」を証明しました。
ABC予想とは・・・(ネットから引用)
正の整数AとBの和をCとします。つまり、
A+B=C
です。正の整数は、素数のべきの積に「素因数分解」することができます。たとえば15ならば、
15=3×5
4ならば、
4=2^2(2の2乗)
という具合です。AとBは、このような素因数分解をほどこした時、共通の素因数をもたないように選んでおきます。たとえば、
A=4、B=15
という組み合わせです。このような、共通の素因数をもたないAとBは「たがいに素」だといいますが、べつに覚えなくてもさしつかえありません。一方、たとえば、
A=4、B=6
という組み合わせは、共通の素因数2をもつので、今回の考察の対象外です。
次に、そうやって選んだAとBと、その和Cを、かけ合わせ、素因数分解します。
A×B×C=4×15×19=(2^2)×3×5×19
さらに、素因数分解の結果から、異なる素因数だけを拾ってかけ合わせて、新たな数Dを作ります。つまり、べき乗は1乗に変えます。
(2^2)×3×5×19 → 2×3×5×19=570=D
DはA×B×Cの「根基(こんき)」と呼ばれますが、やはり覚えなくてもさしつかえありません。
この時、「たいていの場合、DはCよりも大きくなるだろう」というのがABC予想です。
「たいていの場合」というのをもっと厳密に表現すると、
「ある正の実数εについて、 C>D^(1+ε)を満たすCは有限個しか存在しないだろう」
となります。
これで一応、あまり難しい数学用語は使わずに、ABC予想を説明してみました。ABC予想は、言い換えると、
「たがいに素な整数AとBをたして A+B=C を作ると、Cには、AにもBにも含まれない新しい素因数がいくつも含まれるだろう」という予想です。
そういう場合はたいてい、D>Cが成り立ちます。
・・・という内容です。実は少し頑張ると高校数学の内容で意味は分かります。数学が得意な人は全部理解できるでしょう。ただ、「なぜそれが言えるのか」が今まで謎のままでした。1回や2回やってみると成功するんだけど、そのすべての整数に対して言えるかどうかがわからなかった。少し前に「フェルマーの最終定理」も、1つや2つやってみれば簡単に成立することが確認できる(三平方の定理の2乗のところを3乗以上にする場合、その式は成り立たなくなるというもの)。しかし、すべての整数に対して成立することを証明するのが出来なかった。なんと300年も!
数学界では、このABC予想の証明は「ノーベル賞2つもらってもいい」といわれるほどの快挙で、同じ日本人として誇らしいことである。このような研究者がいることで我々は豊かになっていくことを忘れないように。