ベスの肺高血圧症 闘病記  21、最期の1日 ベスありがとう | ジャックとベスの日記

ジャックとベスの日記

2008年生まれのシーズー犬の双子兄・妹の闘病日記です。
兄 ジャック 2019年7月 免疫介在性血小板減少症
妹 ベス 2021年1月 肺高血圧症 3月11日虹の橋を渡りました

写真は最後の日のベス

 

一晩中泣いたため、自家中毒になり

ひどい頭痛と吐き気で

自分も起き上がれなくなりました。

 

会社に行くのは無理だったので休むことにし

ベスも楽になった五苓散を通常の2倍飲み

少し楽になった15分後にまた追加で飲みました。

 

だいぶ楽になり、追加で頭痛薬を飲み、

起き上がれるようになりました。

 

こんな小さな症状がたったの数時間でも辛いのに

ベスはもう2ヶ月重篤な症状と闘っています。

 

今まで「安楽死」という選択をしたことは

一度もありませんでしたが

 

苦しんで最期に悲鳴を上げて亡くなった先代犬ミクや

仕事に行っている間に血を吐いて

一人で亡くなってしまったレディの最期は

 

ずっと私を苦しめていて

 

どうしても

「最期穏やかに私の腕の中で」

 

という思いがありました。

 

ベスは一見穏やかに寝ていますが

目は常に見開き

体はブルブルと震えています。

水を飲んでいる最中にも座っていられなくなるので

寝たまま飲めるように高さを調整しました。

 

決心は固まりました。

 

かかりつけ医の若い医師に電話をし

安楽死させたいと告げました。

 

「わかりました。その選択は間違っていないと思います。

それでは午前の診察が終わる頃こちらから電話します。」

 

嫌がる投薬も止めました。

 

あんなに私に触られるのを嫌がっていたのに

今日は沢山撫でさせてくれました。

 

10時頃、天気も良かったので

最後の散歩に行きました。

ベスは歩けないので毛布に包んで抱っこ

ジャックは歩いて

家の周りをぐるりと一周。

 

ベスは何の反応も示しません。

本当に生きているのにやっとだったのでしょう。

 

何故かジャックもトボトボと

殆ど進まないスピードでしか歩きません。

 

二人の思い出にと思いましたが

二人には喜んで貰えぬまま

早めに帰宅しました。

 

13時半頃医師から連絡がありました。

決心したはずなのに涙が溢れてきました。

 

最後にベスを抱っこして家の中を廻りました。

最後の方はどこにも歩けなかったので

ベスが好きだった3階の私のベッドや

2階のソファ

一番お気に入りだった日の当たるリビングコーナー

 

ベスはここでも何の反応も示しません。

匂いを嗅ぐこともしませんでした。

 

ジャックともお別れをしました。

ジャックは一生懸命ベスの匂いを嗅いでましたが

ベスはやはり反応しませんでした。

 

ベスを毛布で包んで車に乗せ

かかりつけ医に向かいました。

 

もう何回通ったかわかりません。

 

最後も院長は出てきませんでした。

でももう何も思いません。

可愛がってくれた若い医師に

最後を託そうと思いました。

 

診察室で若い医師としばらく話をしました。

 

私のわがままで治療を続けたことで

かえって辛い時期を長引かせてしまったのかもしれない

 

肺水腫も心臓もある程度コントロール出来たが

全身の衰弱を止めることはできなかった

ベスにとってかえって辛い状態にしてしまった

 

そんな話をしたような気がします。

 

医師は、

私はよく頑張った、ベスもよく頑張った

この選択は間違っていない

 

そんなことを話してくれた気がします。

 

30分以上離したでしょうか、

ベスと最後のお別れをし

 

ボーっとする薬を注射してもらって

二人っきりにしてもらい

しばらく抱っこしていました。

 

ずっとベスと話をしていましたが

ボーッとしてくる気配はありませんでした。

 

いよいよ最後の瞬間が来ました。

医師は

「それでは最後の治療をします。」と言いました。

 

ベスを抱っこしたまま

安楽死のための白い薬を注入します。

 

私の想像では、注射してしばらくしてから

眠るように亡くなる、と思っていたのですが

 

薬の注入と同時に

動けないはずのベスが抵抗し始めたのです。

 

「ベス」

と話して頭を撫でた途端

ガクっと頭を下げました。

まだ注射をしている最中です。

 

あれ、と思って心臓を触ると、

 

既に心臓は動いていませんでした。

 

胸が潰れるほどの衝撃でした。

 

注射が終わって医師が

「診察台に乗せてください」と言いました。

抱っこした状態から乗せようとしたら

頭がグランと揺れてしまいました。

もう身体中グニャグニャの状態でした。

 

聴診器で心臓の音を聞き

医師がベスの最期を告げました。

 

あんなに決心していたはずなのに

心が壊れそうな衝撃で

声を上げて泣きました。

 

きっと麻酔は効いていなかった

 

あんなに動けなかったベスがあれだけ抵抗したのだから

きっと物凄く痛かったのか・・・

 

ただ、

最後悲鳴をあげて亡くなったミクや

一人で血を吐いて亡くなったレディと比べれば

 

静かな死を迎えられたと思います。

 

そして

私の腕にはベスの最期の温もりを残すことができました。

 

後悔は尽きません。

きっと何度愛犬の死を迎えても

後悔しない形は存在しないのでしょう。

 

肺高血圧症を調べると

肺水腫や心不全、胸水が溜まって苦しい

 

そんな文字が並びます。

 

ベスは五苓散のお陰で

最後まで水のコントロールをすることは出来ましたが

それだけではこの病気はダメなのだということを

学びました。

 

12歳になっても子犬のような愛くるしいベス

 

12年間幸せをくれてありがとう。

永遠に愛してるよ。

 

元気だった頃のベス