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第二章

愛する人はいますか?

いるのなら是非その手を離さないで。今の平和が当たり前だから、みんなノホホンとしてるけど未曾有の出来事が頻繁に起きだしているんだよ。そら日々の暮らし、仕事、大事なのは分かるけど。値打ちをかましてる場合じゃあない。だから、せめて愛する人の手だけは死ぬ気で守ってほしいと願うわけです。あのもののけの少年の瞳のように、真っ直ぐに。
あの防災庁舎の女性職員の命をかけた行動のように。

正直、言葉にならない。とは今まで頻繁に聞いたり幾度となく無意識に使ったりしているが、あの時ばかりはホントに胸が痛かった。南三陸志津川、最後の最後まで眼前に真っ黒い鉄のかたまりが迫るまで命を守る放送をしつづけた…彼女は、妊娠していた。結婚間近だったと聞く。。できますか?あなたなら、できますか?ウソでもできるとうそぶけますか?いま、人生や未来に絶望している人がいたら志津川の防災庁舎跡に行きなさい。ホントなら、生きている僕らが勇姿をたたえる言葉をかけてやらなきゃいけない。生半可な気持ちで赴くなら立ち直れない衝撃があなたを襲うだろう。そして、かしこい僕たちは見ない聞かない言わないを決めこむんだろう。だから、あえて僕は伝えつづけたい。耳を塞ぎたいなら無理強いはしない。彼女はきっと無念ではないと思う。あるとすれば、それは後悔じゃないかな。我が子も死なせてしまったこと。愛する旦那を悲しみにくれさせたこと…この話を伝えるとき、可哀想すぎて感極まってしまうんですね。

それが使命だと、わからないままに死後そうだと言われても慰めにもならないよな。






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