本記事は有志の情報提供により試験問題を入手して個人的に解答・解説したもので、試験受験者の参考となるように充分に検討のうえ書かれていますが必ずしも正解とは限らない場合があります。ご留意下さい。なお提示した試験問題の著作権は日本無線協会様にあり、申し立てがあれば該当部分を削除します。

 

A-1 既出(平成29年8月期A-2)

コンデンサの容量C[F]は比誘電率εr(真空の誘電率ε0)、電極面積S[m^2]、電極間距離d[m]のときC=εrε0S/dであるから、電極間距離を1/2、誘電体を変更した後の静電容量をCxとするとCx=4εrε0S/(d/2)=8Cとなる。従ってCx=8×50[pF]=400[pF]

 

 

A-2 既出(令和1年8月期A-2)

思い起こせば小生が受験した平成29年4月期にも出題されたビオ・サバールの法則の問題ですね。

ΔH={IΔl/(4πr^2)}sinθ

sinθ=sin60°=√3/2を代入してΔH=√3IΔl/(8πr^2)

 

 

A-3 新出(難)

これは陸技レベルの問題ですね。以下をご参照下さい。

 

 

A-4 類似既出(令和3年12月期A-5)

LCR直列共振回路の問題ですね。

(1) 共振時は回路を流れる電流が最大となり、このときLC部の電圧Vab=0(VLとVCの大きさが同じで逆向き)でRの両端の電圧VR=Vとなります。

(2) このとき回路を流れる電流をIとするとL両端の電圧VL=I×XL・・・①であり、同様にR両端の電圧VR=I×R=V・・・②なので①②よりVL=(XL/R)Vが得られます。

(3) 共振角周波数をωとするとVL=I×ωL、VC=I/ωCであり、これらの大きさが同じ(VL=VC)になるのでω=1/√LCである。従って尖鋭度Q(直列共振回路)はQ=ωL/R=√(L/C)/Rである。

 

 

A-5 既出(令和1年8月期A-4)

以下ご参照下さい。

 

【2022.8.24追補】交流ブリッジのまとめ作成しました。

 

 

A-6 既出(令和1年12月A-6)

この問題はダイオードが導通した状態を抵抗に置きかえて考えると理解しやすいと思います。

 

図2よりこのダイオード1個の順方向電圧Vf=0.5[V]であることがわかるので、このダイオード2個を直列に接続すると順方向電圧は合計で0.5+0.5=1.0[V]になることがわかります。一方で導通後のグラフを見ると直線になっているので電圧と電流は比例関係(VD=kIDにありこのダイオードは単なる抵抗(V=IR)に置きかえて考えることができることが分かります。数値を読むと電圧の増加ΔV=0.5[V]に対し電流の増加ΔI=0.25[A]でありR=V/I=0.5/0.25=2[Ω]となります。従って、このダイオード2個を直列に接続すると導通状態の内部抵抗は2[Ω]を2個直列にしたもの(2+2=4[Ω])となるので1個に比べ2倍となり、導通状態のグラフの傾きは半分になります。

 

 

A-7 類似問題あり(令和2年12月期A-6)

トランジスタの静特性とhパラメータはyパラメータを含めて陸技レベルと思っていましたが、1アマでも出題されるんですね。まあ出題内容は基礎的なのですが・・・。

トランジスタのエミッタ(E)接地回路ではベース(B)が入力、コレクタ(C)が出力になるので、(1)のΔIc/ΔVceは出力アドミタンス(アドミタンスは抵抗(インピーダンス)の逆数)になります。(2)の電流増幅率はhfeですが、これは知っていなければ解けませんね。まあ電子工作をしていればどこかで聞いたことがあると思いますが・・・。(3)ΔVbe/ΔIbは入力インピーダンスです。

 

 

 

A-8 既出(令和3年4月期A-9)

 

DS間のrdとRLの合成抵抗は15×5/(15+5)=75/20=3.75[kΩ]=3750[Ω]であるから

Vds=ID×3750=gm・Vgs×3750=8×10^-3×Vgs×3750=30×Vgs

従って求める電圧増幅度Vds/Vgs=30