ずいぶん前から気になっていたことに、サブPCで使っているWindows10が2025年秋ころには使えなくなる(サポートの終了)があります。Windows10からWindows11への移行は、マイクロソフトによって無料で行われることは知っていましたが、PC Health Check/PC正常性チェックアプリ(ヘルスとか正常性と言われてもピンとないのは置いておいて)の結果は、以下の通りです。

 

 

「このPCは現在、Windows11システム要件を満たしていません」(こっちの方がまともな表現ですね)と出てきます。ちょっと古めのPCをお使いの方なら皆さん当てはまるのではないでしょうか。

 

私の場合、問題点が3点ありました。

 

1. PCはセキュアブートをサポートしている必要があります。

2. TPM2.0がこのPCでサポートされ、有効になっている必要があります。

3. プロセッサは現在、Windows11でサポートされていません。

 

ということです。

 

1番目の「セキュアブートをサポート」とは、セキュア(安全な)ブート(立ち上げ)ということですので、UEFI BIOS 設定が必要となります。

 

2番目の「TPM2.0」とは、こちらもセキュリティ関連で、BIOSの中に設定があるようです。

 

3番目は簡単ですね。「お前の頭(CPU)が古いんだよ。」って、マイクロソフトから駄目出しされたってことです。

 

というわけで、今使っているメインPCから、中身(CPU・メモリ・M/B)をそっくり移植して、メインには新しい中身を購入しようと考えていました。ところが、先日メインPCのM/Bを交換したときに、ふと気づいて調べてみました。

 

 

それによると、サブPCのM/BはMSI社のB350 PC MATEという機種で、このM/Bは、なんとTPM2.0にもセキュアブートにも対応しているとのことです。これは、総とっかえせずともCPUの交換だけで済むかもと、ちょっとうれしくなってしまいました。というのは、このサブPCの主な用途がテレビ番組録画用だったからです。これだけでピンと来る方もいるかもしれませんが、そうなんです。TVチューナーがPT-2というものなのです。

 

PT-2とは、一世を風靡したTVチューナーでいわゆるTS抜きと言われるチューナーです。普通のハードディスクレコーダーではコピーが簡単にできませんが、TS抜きチューナーならコピーも編集も実に簡単にできます。それで愛用しているのですが、PT-2は、なんとPCIスロットと言われるインターフェース専用のため、M/B側にこのスロットがないと使えません。最近のM/Bは、ほとんどがPCI Expressというスロットで互換性がありません。ライザーカードと言われる間に挟むアダプタのようなものも存在しますが、電気的に使えない場合もありますし、そもそも物理的にぶつかってしまって使えないこともあるので、出来れば避けたいのです。

 

B350 PC MATEは、このPCIスロットが2つ付いています。もう私のためにあるようなM/Bですね。Windows10で使っている限りはこのM/Bで不満が無かったので、できればそのまま使い続けたいものだと思っていました。それが叶いそうということで、こんなにうれしいことはありません。おそらくWindows11のサポート終了までは、使えることと思います。その前にPT-2が壊れてしまうこともありそうです。PT-2は2011年の夏に販売が終了していますので、もう13年ほど使ってます。Windows11がいつまで使えるかわかりませんが、15年以上使用したなら、もう寿命であきらめることになるでしょうね。

 

というわけで、まず初めに2.のTPM2.0について何とかしようと思い、BIOSを立ち上げました。ところが、TPMの設定がありません。当時はそんな機能が必要なかったのでしょうか、このままではどうにもならないので、一番やりたくなかったBIOSのアップデートをすることに決心しました。何を大げさなと言われるかもしれませんけど、BIOSのアップデートはPCを壊滅的に破壊してしまう危険があり、問題なければやりたくないことの一番です。昔(30年位前)は、新BIOSのデータをフロッピーディスクに書き込み、フロッピーからインストールしていました。10分ほどのわずかな時間ですが、この間に電源が落ちてしまうともうどうやってもPCが使えなくなると言われていました。ですので、私も何度かしか経験がありません。ジャンキーな方は同じM/Bを用意して、生きている方のM/Bの動作中にBIOSのROMを引き抜き、壊れたROM(とはいえ本当のROMではなくEEPROMです)を差し込んで・・・というかなりマニアックな裏技があったそうですが、歴史の彼方に消えたことでしょうw

 

さて、年寄りの話は長くなりがちです。私は、ダウンロードした新BIOSデータをUSBメモリに書き込み、そこから立ち上げました。今は、BIOSの中にメモリの書き換えソフトが内蔵されていますので、実に簡単です。10分ほどで無事アップデートが完了しました。

 

 

TPM2.0関連の設定は[Security]の中にありました。こちらも設定をEnabledにします。モニタがテレビを視聴するために東芝のREGZAを使っているので反射で見にくいです。

 

 

この状態でWindows10を立ち上げ、PC Health Checkを動作させると、このようになりました。

 

 

無事、TPM2.0は解決しています。よしよし。

 

次は、1. のセキュアブートの問題です。実は、いろいろと調べてみたのですが、今のOSのままではどうにもならず、クリーンインストールが必要なことがわかりました。これが、私がやりたくなかった2番目のことです。OSのクリーンインストールとは、今まで使ってきた設定をすべてパーにするという意味です。心機一転蒔き直しというか、人間なら言葉ではそう言っても記憶や性格が変わるわけではありませんから、大変は大変でも過去の経験を活用することができます。しかし、PCの場合は本当にクリーンになってしまいます。まるで生まれ変わる(とはいえハードウェアを変えるわけではないので性能はそのまま)みたいです。ウイルスに感染したなどの場合は、已む無くやりますが、気持ちは完全に後ろ向きです。

 

しかし、そうも言っていられないので、バックアップを取り、Windows10のインストールメディアを作り、クリーンインストールをしました。初めは、今までのC:ドライブ(SSDドライブ)にインストールしようとしたのですが、インストーラーに撥ねられてしまったので、C:ドライブを領域解放し、フォーマットをしたらインストールできました。この時点で、今までC:ドライブにあったすべてのデータは回復不可能な状態になりました。サブPCですから大事なものはないのですが、後から問題が出てくるかもしれません。

 

この状態でWindows10を立ち上げ、PC Health Checkを動作させると、このようになりました。

 

 

ようやく、問題が3. のプロセッサ(CPU)だけになりました。これはCPUの交換以外に方法がありません。ネット情報では、このままでも、ごにょごにょするとWindows11がインストールできるそうですがCPUの交換の方が王道です。

 

途中、無線マウスが認識しなくなって、あちこち家の中を有線マウスを探しに行ったり、ドライバがないのでネットの海を泳ぎまわったのはよくある話ですので割愛しましょうw

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