ベッドの上でしか愛を語らない
それだけが僕らの暗黙のルール
沈黙が時間と空間を支配しても
そんなもんだよと受け流すだけ
淹れ立てのホットコーヒーから
漂う香りとカップ越しの温もり
僕が今叶えてみたい望みなんて
それ以上でもそれ以下でもない
なのにどうして君は
最後のひと雫までも
全て飲み干すことに
執着するのでしょう
もう何も出ないよ
全体像すら把握できない
巨大で堅固な岩石でさえ
何千年も何万年もかけて
小さな砂粒に変わってく
誰もその存在に気付かず
ただ無造作に踏まれてく
ひとつひとつに刻まれた
歴史を語る機会もなしに
いつからここにいるんだ
どの道を旅してきたんだ
誰の勇姿を見てきたんだ
これからどこへ行くんだ
今の時代を生きる僕らが
生まれる前も死んだ後も
この世界に存在し続ける
微粒子へ敬礼を捧げよう
なんて言うと思ったのか
靴の中への無礼な侵入者
世間を賑わす異人の如く
我が領域から排除されよ
と 靴を脱ぎ
天地を返して砂を出す
異物のなくなった世界は
快適だよ
あなたもそう思うだろ?
今あなたは幸せを感じていますか
その幸せが誰かの不幸の上に
成り立っているとしても
今あなたは楽しいと感じてますか
その悦楽が誰かの悲しみの上に
成り立っているとしても
今あなたは勝利を味わってますか
その喜びが誰かの敗北の上に
成り立っているとしても
今あなたは平和に暮らしてますか
その平穏が誰かの侵略の末に
成り立っていたとしても
あなたは今が満たされていますか
その満足が誰かの欠乏の上に
成り立っているとしても
世界はいつもプラスとマイナスが
攻め合いながら釣り合ってる
たとえあなたがいる所が
沈む側の天秤だとしても
生きたければ生きろ