月の満ち欠けのシステムを
解明しようと躍起になった
それよりずっと前の時代を
今の僕らに想像できるかな

作られた低密度の砂の上を
沈まないよう駆け足で走る
傍目には滑稽なそんな姿を
自分もそこそこ楽しんでる

そうして辿り着いた場所が
安定した硬い地盤だとして
得られそうな安心と平穏に
満足できる気はしなかった

どこかだと思ってた場所が
どこででもなかった現実を
丸ごと受け止めるにはまだ
もう少し時間が必要みたい

敵もいないし沈みもしない
坂さえない世界のど真ん中
時間が過ぎるだけの生活で
歩き方も忘れてしまったよ

1歩前に進むのも怖いから
地球1周のマイナス1歩分
後ろ向きに歩き続けてみた
違う景色が見えるといいな

暖房の効いた部屋で震える
理由がよくわからない寒気
体の中に湧き上がってくる
全くもって厄介な時代だよ

君のもとへ続くはずの道も
見失ってしまったみたいだ
まるでこの世界のどこにも
存在しない物を探すように

想像と妄想を繰り返すんだ
いつか形になりますように





大好きなはずのアイスコーヒーが
さすがにもうツラくなってきた冬
淹れ立てのホットコーヒーの香り
半ば強制的に自ら切り替えた季節

カップを通過してくるぬくもりは
二度と繋がることのない君の手と
あと数ヶ月待たなければならない
春の陽射しを思い出させてくれた

僕の街は滅多に雪が降らないんだ
君が今住んでいる街はどうですか
手紙もメールも電話もできなくて
頭の中で逡巡させてるだけの午後

アイスコーヒーが美味しい季節よ
少し早く訪れてくれないだろうか
もう指先が冷たくならないように
君を思い出さなくてもいいように

だなんて 猫舌を誤魔化してみた





腕を伸ばせば手が届く
手探りですぐ探し当てる
目を瞑ってもどこかわかる

一見散らかった部屋に
転がるリモコンのような
そんな夢に興味なんかない

水彩画じみてる世界を
ひたすら塗り潰して進む
楽しみながら苦しみながら

実現しそうにない現実
信じているのは自分だけ
笑いたければ笑ってくれよ

誰にも憶えはあるはず
夢ってそういうもんだろ
もう忘れてしまったのかい



自らに問いかけてみる
そのもどかしさでさえも
立ち上がるための力にして

あと数センチで届く夢
これはリモコンじゃない
やっとここまで辿り着いた

醒めない夢へ指を伸ばした