どこの誰かも知らない奴が
何分も何十分も噛みつぶし
無数の遺伝子を練り込んで
真夏の道路に焼かれた物質

それはまるでゲリラじみて
私の足取りを重くしていく
憂鬱な気分も呼び起こして
貴重な時間も無駄になった

まだ買ったばかりの靴がさ
もう酷く傷付いた気がして
赤ん坊を沐浴させるように
愛おしげに穢れを落とした

未明の都会の喧騒の片隅で
誰かが生きてる証のひとつ
ただそれに巡り会っただけ
それだけのことだったんだ

…久々にガム踏んだわ






空を飛びたいわけじゃないのに
利害関係もないどこかの誰かが
僕を無理やり飛ばせようとする
落ちた僕を笑いたいだけの奴だ

汚れた涙の不純物が塊を形成し
程よい具合に涙腺を詰まらせた
泣きたくても泣けない場面だし
9割5分減の量でちょうどいい

体中の骨がゆっくり時間をかけ
全身から融け出していくみたい
馴れない痛みより不快感が勝る
力の入れ方も使い方も忘れた夜

別に今夜が特別なんかじゃない
あまりにもありふれた話すぎて
酒のひとつも用意されないなら
笑いながら眠りにも就けないね

出かけないと決めた休日だから
つい酒の量が増えてしまうのに
誰が文句を言う権利もなくてさ
ただ義務も使命も何もない空間

そこで見つけた宝物じみた光が
微弱過ぎてすぐ消えたとしても
きっとそれが正解だったんだよ
って誰かに言われるのを待って

今日も僕は誰かの期待に応えて
飛べもしないのに羽ばたいてる
落ちることさえない低空飛行を
飽きることもなく続けていくよ