厚生労働省は6月10日、「介護給付等費用適正化事業」を対象に行政事業レビューの「公開プロセス」を行った。同省老健局介護保険計画課は、縦覧点検の徹底などを盛り込んだ改革案を提示したが、外部有識者からは「事業内容を厳密に見る必要がある」などの声が上がり、8人全員が改革案では「不十分」と判断。今後の事業の継続については、このうち5人が「継続するが、さらなる見直しが必要」とした。事業の実施状況の把握については、7人が「不十分」と判断した。

 厚労省は、介護給付費や介護保険料の増大を抑制するため、2008年度以降、都道府県や保険者と連携し、▽認定調査状況のチェック▽ケアプランの点検▽住宅改修等の点検▽医療情報との突き合わせ・縦覧点検▽介護給付費通知-などから成る「介護給付等費用適正化事業」を推進している。同省によれば、適正化事業を積極的に実施している保険者ほど、給付費の伸びを抑制できているという。その一方で、取り組み状況に地域差が見られるなどの問題点も指摘されていた。

 席上、介護保険計画課の担当者は、これまでの事業を継承すると同時に、特に介護給付費通知と、医療情報との突き合わせ・縦覧点検の実施を徹底するなどの内容を盛り込んだ改革案を提示。事業の妥当性を訴えた。

 これに対し、筑波大大学院の吉田あつし教授は、「縦覧点検の推進で大きな成果が上がったとしているが、(縦覧点検は保険者が)当然、行うべきこと」とした上で、予算を組んで実施を後押しするのではなく、「(縦覧点検をしていない保険者を)指導すべきではないか」と提言した。

 また、中央学院大社会システム研究所の福嶋浩彦教授は、適正化事業の一環として広報用のパンフレット作成費用を計上している自治体があることを問題視し、「この枠組みでやるのはおかしい。事業の意味が薄れてしまう」と批判。ジャーナリストの岩瀬達哉氏は、自治体の適正化事業の内訳を厚労省が把握し切れていないとして、「(適正化事業の予算として)国から公金が出ている以上、その内訳は当然、把握しておくべき」と述べた。


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 【ロシア宇宙庁飛行管制センター(モスクワ郊外)=佐藤貴生】国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在した宇宙飛行士、野口聡一さん(45)らを乗せたロシアの宇宙船「ソユーズ」がモスクワ時間の2日午前7時25分(日本時間午後0時25分)、カザフスタンの草原地帯に着陸、地球への帰還を果たした。約5カ月半(163日)の宇宙滞在は日本人としては最長で、日本の宇宙開発の歴史に新たな1ページが刻まれた。

 野口さんら3人のクルーはモスクワ時間の2日午前0時ごろソユーズの帰還用カプセルに移動し、ハッチ閉鎖後の午前4時過ぎにISSを離脱。大気圏再突入の約20分後、パラシュートで降下速度を落としながらカザフスタンの草原に着陸した。待機していた航空機や水陸両用車などを含む捜索隊が着陸地点に向かった。

 野口さんら3人は無事が確認され次第、無重力環境で弱まった骨や筋肉を回復させるリハビリを個別に受け、約1カ月半をかけて地球の重力に身体を慣らしていく予定だ。

 野口さんの宇宙飛行は2005年の米スペースシャトル搭乗以来、2回目。ISSの長期滞在は昨年の若田光一さん(46)に次いで日本で2人目。野口さんの宇宙滞在期間は前回飛行と合わせて計177日となり、若田さんの計159日を抜いて日本人最長となった。

 野口さんは昨年12月21日、日本人初のソユーズのフライトエンジニアとしてカザフスタンのバイコヌール宇宙基地を飛び立ち、ISSの運用・維持管理を担当した。

 日本の実験棟「きぼう」では、金魚のうろこの細胞を使って宇宙で骨が減るメカニズムを探るなど、素材や生命科学、環境分野などの科学実験を数多くこなしたほか、自身が被験者になって医学実験も行った。

 4月7日から17日まではスペースシャトルに搭乗した山崎直子さん(39)と合流、共同で実験機材の搬入作業に当たった。日本人飛行士が宇宙で顔を合わせたのは初めてだ。

 日本人飛行士は古川聡さん(46)が2011年春から、星出彰彦さん(41)が12年夏からそれぞれ約半年間、ISSに長期滞在することが決まっている。シャトルは今秋に退役し、ISSにはソユーズで往復する。

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 経済連携協定(EPA)に基づきインドネシアやフィリピンから来日した介護福祉士候補者に向けた、日本語学習用のWeb辞書が公開された。介護福祉士の国家試験や介護記録でよく使われる専門用語を自動翻訳するシステムで、誰でも無料で利用できる。

 EPAに基づく外国人介護福祉士候補者は、3年の在留期間中に日本語による国家試験に合格しない場合、帰国しなければならない。また、介護福祉士の資格を受験するには3年の実務経験が必要なため、受験機会は1回に限定される。その上、試験は日本人と同じで、優れた介護技術を持った人材が、漢字を知らないだけで合格できないのではと危惧(きぐ)する声も上がっていた。

 こうした状況を受け、東京国際大コミュニケーション学部の川村よし子教と介護関係者らのグループが、インドネシア語とタガログ語のWeb上の辞書の開発を開始。このほどほぼ完成し、運用を開始した。

 開発されたシステムは日本語を英語やドイツ語などに自動翻訳する「チュウ太のWeb辞書」に、インドネシア語(1200語)とタガログ語(2000語)の辞書機能を加えたもの。ページの指定場所に日本語の文章を入力、あるいはコピーして張り付け、翻訳したい言語を選択すれば、文中の単語の読み方や意味が画面に現れる。介護福祉士候補者の日本語学習に役立てるため、嚥下(えんげ)や側臥位(そくがい)、徘徊(はいかい)など、介護記録や第18回までの介護福祉士の国家試験問題で使われた言葉を選び、説明を加えたという。

 今後、第19回以降の介護福祉士の国家試験などを参考にしながら、翻訳できる言葉を追加していく方針。川村教授は「チュウ太は無料で公開している。国家試験を目指す外国人の介護士候補者はもちろん、外国人の看護師候補生や彼らを受け入れている事業所にとっても、有効なツールになるはずだ」としている。


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