水の紛争を解決した 「 円 形 分 水 」 | ✿ 日々是好日 ~ 降っても晴れても ~ ✿

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勤労学生時代から30年“喜怒哀楽”のサラリーマン人生を経て独立。数十店舗の外食企業が上場し全国700店超になるまでを経験。飲食業で育てられた男が、今度は “厳しくも愉しいホテル経営” に挑戦!「無常迅速、時人を待たず」を我が肝に銘じ。


通潤橋(つうじゅんきょう)で知られるうちのホテルと同じ上益城(かみましき)郡は 山都(やまと)町。

その通潤橋から車で高千穂方面へ国道218号線を約5分、野尻交差点から井無田方面へ約1キロの

小笹地区に 「円形分水(えんけいぶんすい)」 なるものがある。

 

 


 

 

 


 

 

「円形分水」って何それ?と 思われた方もいるだろう。

名前からして水を分ける装置であることは大方想像できると思うが

これが単純な仕掛けながら実にうまくできているのである。

稲作農家にとって水は大切なもの。

笹原川から取水された水を野尻・小笹地区と、白糸台地(通潤橋方面)とに送る水量を

水田の面積に応じて公平に配分するように工夫され作られたものなのだ。


▼ 笹原川の石堰




▼ 円形分水へ導かれる水は、この笹原川の約500mもの上流から取水されている。
 



取水口から流れて来た水は、円形分水の前で地中に潜り水路を通って

円形分水の中央部分から1.5mの円筒を出口として湧き出るようになっている。

 

 ▼断面図・平面図
 


 

 

円形分水は内円筒と外円筒からできており

内円筒の直径は6.3m、底の中心に1.5mの水の湧き出し口ある。

内円筒と外円筒の間は水槽になっており、水田面積に応じた

比率 7(通潤地区):3(野尻・笹原地区)で仕切られている。

水は内円筒の湧き出し口からあふれ、内円筒と外円筒の間の仕切りにより

円周の外周の長さに応じて公平に配分され水槽にたまった水の向かう先が決められる

仕組みになっているのだ。
 

 


 

 

▼白糸台地(通潤橋方面)への水路へ(比率7割)
 


 

 

▼こちらが野尻・笹原地区水路へ(比率3割)
 


 

 




昭和31年にこの円形分水が完成すると

それまで干ばつのたびに悩まされてきた水争いが解消されたという。
 

 




訪れた9月中旬、紫陽花とかたつむりの出迎えにちょっとビックリ!
 


 

 

 

 


過去に通潤橋を取り上げた記事はこちら
↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓
上益城・緑川流域の「石橋を歩く!」 (二)





本日は以上です。

 

 

 

 

 

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