「おひなさま」で思い出す話♪ | ✿ 日々是好日 ~ 降っても晴れても ~ ✿

✿ 日々是好日 ~ 降っても晴れても ~ ✿

勤労学生時代から30年“喜怒哀楽”のサラリーマン人生を経て独立。数十店舗の外食企業が上場し全国700店超になるまでを経験。飲食業で育てられた男が、今度は “厳しくも愉しいホテル経営” に挑戦!「無常迅速、時人を待たず」を我が肝に銘じ。

 

桃の節句・雛まつりですね。

 

ボクは男兄弟で育ち、子供たちも息子だけなので

女子のすこやかな成長を祈る節句、「雛まつり」 の年中行事には縁がありません。

ただ、この雛まつりで思い出す話があります。

 

 

それは、当時28歲のお母さんが朝日新聞に投稿された記事を

福岡県篠栗町にある南蔵院の林覚条住職が

講演 「心豊かに生きる」の中で紹介されたものです。

 

 

 

    *:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 

 

 

 

子供の頃、私は4人姉妹の長女として育ちました。

 

 

 

小学校3年生のとき、友だちが 「うちは大きなおひなさまを買ったわよ」

 

と、教室で自慢した。

 

そして、自分に 「あなたのところは、4人もいるから

さぞかし立派なお人形があるのでしょうね」 と聞いてきた。

 

 

自分の家は貧しくて、人形を買うお金がなかったので

答えに詰まってしまって、「ない」 ということを素直に言えずに

情けないおもいをしながら家に帰った。

 

 

そして、そのことをお母さんに正直に話した。

 

 

すると、お母さんは

「うちには、かわいいおひなさまが4人もいるから

 

お母さんは人形なんかなくてもいいんだよ」 と言ってくれた。

 

自分はとてもうれしかった。

 

 

そして、涙を洗って、お風呂から出て、ビックリした。

 

 

居間の一間程の出窓のところに、お母さんが風呂敷を引いてくれて

 

ひな壇に見立てて、お風呂上がりの湯気の立つ娘を一人ずつ並べて

お母さんは座らせた。

 

お母さんは、離れて眺めたり、近くによって髪の毛や寝巻きを整えてくれました。

 

 

「どの子が一番かわいいかな?」 ってお母さんが言うので

私たちは

 

みな精一杯のすまし顔でお母さんを見つめた。

 

お母さんは、腕組みをして、うなっていたが

「みんなかわいい。うちのおひなさまは、どこの家の人形よりも一番かわいい」

 と、言ってくれた。

 

 

とても自分たちは満足した。

そして、折り紙で着物を造り、顔を書いて

 

貼り付けて、大きなダンボール箱に段々に貼り付けた。

 

これがわが家のひな人形となって

何年もの間、桃の節句を祝ってくれた。

 

 

豪華な人形よりも

このふぞろいなおひなさまのほうが私たち姉妹には良かった。

 

お母さんは

私たちにお金では買えないものをふんだんに与えてくれた。

子供の心をいつも明るく受け止めてくれた。

 

 

感謝の思いを込めて今書きます。

 

 

 

 

    *:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 

 


 

 

 

 

本日は以上です。