自腹を切らなければ・・・ | ✿ 日々是好日 ~ 降っても晴れても ~ ✿

✿ 日々是好日 ~ 降っても晴れても ~ ✿

勤労学生時代から30年“喜怒哀楽”のサラリーマン人生を経て独立。数十店舗の外食企業が上場し全国700店超になるまでを経験。飲食業で育てられた男が、今度は “厳しくも愉しいホテル経営” に挑戦!「無常迅速、時人を待たず」を我が肝に銘じ。

 

植物を自分で育てると、とても愛着がわきます。

プランターに植えてできたプチトマト1 個でも大切に扱いたくなるものです。

花でも野菜でも日々の成長が愛おしく、ひと味違ったものとなります。

これは自分の手がかかっているからです。

 

自分の努力や忍耐、自分の発想はいとおしい。

お百姓さんが丹精込めて育てた食べ物を粗末にすると怒ると聞くと

「もう自分の手をはなれたものだから、買った人がどうしようと勝手じゃないか」 と

思うかもしれませんが、やっぱり自分でつくってみると

口では言いつくせない愛着が出てくるものです。

 

 

お金も同じです。

 

自分が稼いだお金は道端で拾ったお金とは違います。

そこには大袈裟に言えば汗や涙の物語があります。

自腹を切らなければというのは

そういう貴重なお金を使って人をもてなす習慣をつけておかないと

人間として何か大切なものを失っていくと思うからです。

 

ニュースなどで話題に上がる政治家や地方自治体の汚職、権力を持つ立場の

 

人間が公共事業の発注で賄賂をもらっていたという事件等々、テレビ報道などを

観ていて、逮捕された人たちが少し気の毒に思えることがあります。

というのは、彼らはみんな 

「なんで俺だけが摘発されるのか。みんなやっていることなのに」

といった顔をしているからです。

 

みんながやっているとは思いませんが、おそらく彼らはそう信じているのでしょう。

 

なぜ、そんな気持ちになるのか。

自腹を切らない習慣、おごってもらうばかりの生活を長く続けてきたからです。

政治家や地方行政の長をやるような人が無教養の人間である筈がありません。

だけどそういう人でも、狎れによって正常な神経が摩滅してしまうのです。

 

自腹を切るのは痛いものです。

だけどそれを我慢して自腹を切っていると、今度は

 

相手の痛みがわかるようになります。また談合で物事を決めたり

賄賂に動かされることが、いかに人間として堕落した所業であるかがわかります。

さらに飲んだり食ったりゴルフをしたりという接待が

いかにむなしいものであるかもわかってきます。

 

今はもう昔ほどではありませんが

接待ビジネス等が平気でまかり通るのは、誰も自腹を切らないからです。

汚職だってそうです。出所不明のいい加減なお金だから人にポンとやれる。

貰うほうもポンともらえる。接待などを全否定する気はありませんが

たまには自腹を切ってみてはどうでしょう。

 

見えないものが見え、感じられないことが感じられてくるのではないでしょうか。

 

 

 

 

本日は以上です。