「人間一生、まことにわずかの事なり。
好いたことをして暮らすべきなり」
『葉隠(はがくれ)』 を書いた、肥前国鍋島藩藩士 山本常朝(つねとも)
の言葉である。あの「武士道と云うは、死ぬ事と見付けたり」と
有名な文句を残した人が・・・・だ。
好きなことをして暮らす。究極の人生の奥義であろう。
こんな楽しいことはあるまい。と、誰もが望んでいることだろう。
しかしそれを極めるには、『好きなこと』がしっかりと定まっていなければならない。
果たして世の中、自分の好きなことにひたむきに向かっている人がどれほどいるのだろうか。
それどころか現実にはそれを見つけることできず、右往左往したり
昔はあったのに、今は自分が何が好きなのかさえ見失っていたりする。
社会に出て仕事に追われ続ける日々を過ごしている
、いつしか社会を動かす部品のような存在になって
自分というものがどこかへ行ってしまう。
自分を見失っては生きてる甲斐がない。
人生とは不思議なもので、いざゆっくりくつろげる日々が来て
悠々自適の生活ができるようになると
逆に寂しさを味わうものらしい。
つまり、完全な自由というのは至福の条件ではないということのようだ。
であるならば
将来の人生設計をする段階から『好きなこと』を見定めておく必要がある。
そのためには、強いアイデンティティを持つこと。
「自分は何者だ」という問いに対して答えを見つけておくことが大切だ。
「好きなことをして死ねたらいいなぁ」といえるほどの具体的な『好きなこと』を持つこと
どうやらそれが晩年を支える幸福の哲学のようだ。
「生涯現役」と、今なお生き生きと仕事に打ち込んだり
自分の趣味に没頭し日々を最高に楽しんでおられる恩師や諸先輩方をみておもう。
本日は以上です。