桐野流デストピア小説(「日没」 桐野夏生) | 「天に月、地に山」 愛知・豊橋で日本酒なら

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皆さんこんばんは。

 

何とな何とか確定申告本日終了しました。

 

恐ろしい税金出ましたが、協力金沢山頂いたので仕方ない事です。

 

誤魔化すことなく納税させていただきます。

 

さて恒例の夜中の本紹介。

 

「日没」 桐野夏生

 

総ての作品を読破している大好きな桐野ワールド。

 

しかしここ最近これ!っという作品に出会えてない。

 

さて今作はどうでしょうか?


主人公はエロ・グロ多めのエンタメ作品を得意とする女性作家。

 

ある日総務省の(文化文芸倫理向上委員会)という機関から召喚状が彼女に届きます。

 

何やら怪しげな感じでしたが、軽い気持ちで招集に従います。

 

場所は北関東の海辺の断崖絶壁の上にある建物でした。

 

主人公は招集された理由は、彼女の書く小説の内容が犯罪や暴力を肯定しているという事で、その考え方を強制する目的だと言われます。

 

言論の自由や芸術の制限だと文句を言うものの、外部との連絡する術はなく、反抗すると減点され、その点数に応じて収容期間が延びていき、収監中は番号で呼ばれ、恐ろしく粗末な食事で尊厳を奪われていきます。

 

同じ様に収容されている人々との会話も禁止されるのですが、少しづつですがこの施設の謎や真相が分かってきます。


果たして主人公は、この施設から出る事は出来るのか?

 

と言う物語。

 

久々に私の好きな桐野ワールドさく裂と言う感じでしょうか?

 

つまりミロシリーズやOUTや柔らかい頬などの90年代の桐野作品に近い感じがしたんです。

 

勿論あの頃よりも円熟さは何倍もあります。

 

そして今の日本に漂う気持ちの悪さを見事に作品にしています。

 

久々に面白かったです。

 

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