今や世界中の映画監督の中で一番の才人では?と思えるドラン監督の最新作を観ました。
「たかが世界の終わり」 グサヴィエ・ドラン監督
ドラン監督は一作目の(マイ・マザー)から一貫して母や家族の物語がテーマ。
その同じテーマを手法を変えて映画にしている感じがします。
同じテーマなんですが、才能に溢れたドラン監督は、一作一作違う視点と作風で観る者を驚かせてくれます。
今作も同様です。
物語は15年ぶりに実家に帰る主人公の姿から始まります。
帰る理由は自分が病気で余命僅かと言う事を伝える事。
実家には母と妹、兄と兄嫁が一緒に住んでいます。
久々に戻って来た主人公に歓迎ムードもそこそこ、何故か家族全体が不穏なムード。
夫々が夫々に不満を抱え、その事が主人公の帰郷で溢れだす感じです。
果たして主人公は自分の死を伝える事が出来るのか?
と言う映画です。
印象的には一作目(マイ・マザー)に近いイメージ。
血が濃い故にぶつかり合う家族。
そして血が濃くても全く分かり合えないもの家族。
そのジレンマを舞台劇の様に会話だけで淡々と浮き彫りにしていきます。
また新たなる手法で家族を描いてあります。
ただ今作は評価が非常に難しい気がします。
正直退屈(特に前半から中盤にかけて)。
好きな監督ではなかったら、我慢するのが困難なほど。
そしてエンディングもちゃんと落としていない。
えっ?これで終わり?
と思う人も沢山いると思います。
何時もみたいに手放しで絶賛できる感じではないですが、これもドラン監督の表現方法の一つなんでしょう。
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