皆さんこんばんは。
お休みの夜が更けて行きます。
今日も誰とも話しませんでした。
さて恒例の夜中の本紹介。
「遠すぎた輝き、今ここを照らす光」 平山瑞穂
主人公は雑誌社の女性記者。
本当は文芸の部署に居たのですが、大物作家に本音言ってしまい雑誌の部署に変えられてしまいました。
その部署での仕事で石膏の製作者を取材する事になり工房まで伺うと、そこには学生時代の同級生の男性が居ました。
この二人は実は天敵という位の間柄で、誰にでも優しく正論を吐く女性徒と自分が他と違う才能がある徒思い他者を見下し誰とも交わらない男子生徒で、学生時代は相反していて、お互いを非難するほどの仲でした。
そんな二人が数年ぶりに仕事で再会します。
初めは大人の対応でそれなりに相手をするのですが、どんどん昔の気持ちが蘇り、再び分かり合えない二人となっていきます。
そんな時に工房の師匠が倒れ、仕事が窮地に陥ります。
果たして二人の運命は?
と言う物語。
派手さこそ全く無いけど、じっくり人間模様を描いた佳作ですね。
印象に残った言葉があるので書いておきます(長文)。
(大人になるとは、自分にとって何が無駄であるかを見極めて捨て去り、残すべきものを選び取っていく過程のことなのだ。まだ若くて、自分のなんたるかが分かっていなかった頃に、やみくもに伸ばしてしまった枝葉。それを削り落とし、真に必要な、自分に見合ったものだけが残るように刈り込んでいく事なのだ。勿論そこには切なさもある。それは、ありえたかもしれない自分を見限ることだからだ。果たせなかった望み、届かなかった願い。踏みつけにされ、傷つけられたプライド。恥辱や自己憐日。失意と落胆、こんなはずではなかったのにという釈然としない思いーただそれを振り捨て、一度身軽になって大地を踏みしめなおすからこそ、残された幹は強靭で迷いの無いものになるのだ。あとはそれを天に向けて真っ直ぐに伸ばし、より太くて頑丈な幹に育てていくだけだ)
あーもう胸に届きすぎ。
若い頃は理由の無い自信に溢れ、何者にでもなれるという自信があった。
でも殆どの人はそれが思い込みだった事に気づく。
それを乗り越えてこそ本当の人生に気付くんです。
あー俺なんかまだ乗り越えれてない。
まだ何者かになれると思って日々生きている。
もうこじらせ過ぎて修復不可能です。
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