ライトな京極堂シリーズの印象(「書楼弔堂 炎昼」 京極夏彦) | 「天に月、地に山」 愛知・豊橋で日本酒なら

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皆さんこんばんは。

 

お正月営業の最終日。

 

流石にお客さん少なかったけど、やはり年一でしか会えない方達に会えて嬉しかった一夜。

 

お店が続いているからこそ会えるので、ホント良かったです。

 

さて恒例の夜中の本紹介。

 

「書楼弔堂  炎昼」  京極夏彦

 

デビュー作から書き続けてきた大人気・京極堂シリーズ。

 

しかし何時の間にか続きが書かれる事無くだいぶ経ちます。

 

ファンとしては残念で仕方ないです。

 

おまけにそれ以外の京極作品も、正直それ程面白い作品が無いのが個人的感想。

 

そこに登場したのがこの書楼弔堂の新シリーズ。

 

前作(破曉・はぎょう)が良かったのですが、要約続編登場です。

 

超新作ながら友人・坂東君にお借りできました。

 

感謝です。

 

今作も前作と同じく一話完結の連作短編集で、夫々の話に実在の人物達が登場します。

 

今回も、田山花袋・乃木将軍、そして小説リングの貞子の元になった福来友吉まで登場します。

 

京極堂シリーズより薀蓄がライトになっているので、かなり読みやすくなっています。

 

今回も及第点は軽く越えてますが、これからもっと良くなっていく感じなので期待大ですね。

 

印象に残った言葉があるので書いておきます。

 

(迷信も文化のうち、と申し上げております。迷信が生まれたならば生まれただけの理由がある筈なのでございます。間違いであろうが嘘であろうが、そこに暮らす人々が暮らして行く中で、暮らして行く為に求めたからこそ、それは生まれた)

 

時代時代に必ず迷信や都市伝説は生まれている。

 

それはその時代の風潮や人々の不安感の象徴のような存在である。

 

だから必要だから生まれたものである。

 

確かにその通りですね。

 

またこんな一文もありました。

 

(死者は誰も恨みませぬ。死ねばそれまでなのですから。ただ恨まれていると感じて居る人や、恨んでいるだろうと思う人が、いるだけでございます)

 

幽霊や死者が怖いと思うのは、思う側の気持ちの問題。

 

自分にやましい気持ちや、後ろめたい気持ちがあるから生まれる感情。

 

それさえなければ怖く感じるものではないんです。

 

かなり納得の一文ですね。

 

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