皆さんこんばんは。
お休みの夜が更けていきます。
今日は友人お陰で充実したお休みでした。
夜はまったりと読書。
「あの女」 真梨幸子
イヤミス界の女王の一人。
今回もそんな雰囲気を醸しだしている一冊を読みました。
この本はハードカバーの時には(四〇一二号室)というタイトルで出版された本です。
同じ様な作風で才能を持ちながら売り上げに差が出てた二人の女性作家。
売れていない方の女性作家が主人公。
売れている作家をねたんで生活していた所、何とその作家が滑落して意識不明の状態に。
売れっ子作家についていた編集者が、彼女の担当になり、彼女を売ろうとします。
その際に売れっ子だった彼女に書かせようと思っていた阿部定をテーマに作品を書くように勧めます。
余り乗る気ではなかったのですが、色々と調べて行くうちに現実と虚構の境目が合間になっていきます。
果たして彼女は作品を書き上げる事が出来るのか?
ざっとこんな物語ですが、今回は説明がしづらい内容。
イヤミスといえばイヤミスだけど、その度合いは薄め。
そしてテーマとなった阿部定。
これは余り良い感じで内容に活きてなかった気がします。
久々にちょっと残念な印象。
あっ!前回読んだサド男爵(パリ警察1768)のも今ひとつだったな~。
真梨さん頑張りどころかも?
印象に残った言葉があるので書いておきます。
(欲や嫉妬や悪意や殺意を、世間は一方的に”闇”とひと括りにして片付けてしまうけれど、この感情は万人が持っているもので、ということは、人間にとって必要な能の働きなんですよ。もつといえばこの”闇”の要素こそが、人を生かしている。これが全く浄化されれば、たぶん人は生きる意志を失う。つまり、生きるという行為そのものは欲や嫉妬や悪意や殺意に集約されるんです。一方無欲や寛容や善意や慈悲は、むしろ社会的に作られた要素だと思うんです。何故かそれは、ヒトが生きる為には、社会が必要で、社会的にはルールと秩序と宗教が必要で、ヒトは、後天的にそれを身につける必要があるんです)
悲しいかな是は真実ですね。
大まかに言うと生悪説。
人は元々生まれながらにして悪意や嫉妬や妬み心は持っているんです。
それを我慢する心を身につけさせるのが、教育であり親の仕事なんでしょう。
でも逆手にとって生まれながらに悪の感情はあるのだから、時にそう思ってもそんなに自分を責める事はしなくもいいんです。
所詮人間なんて対した生き物ではない。
そう考えれば日々生きるのは楽になるのではないだろうか?
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世間的には殺人者フジコが有名だけど、私はこれが好きです↓
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