閉鎖された山村の怖さを描かせたら日本一(「くちぬい」 坂東眞砂子) | 「天に月、地に山」 愛知・豊橋で日本酒なら

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くちぬい 坂東眞砂子

皆さんこんばんは。


私にとっての一週間が終わり、そして私にとって二月の営業も終りました。


厳しい一月でしたが何とか乗り切れました。


来て下さった方々に感謝です。


恒例の夜中の本紹介。


「くちぬい」 坂東眞砂子


55歳で亡くなってしまった坂東さん。


亡くなった後に晩年の作品を要約読めるタイミングになった私。


せっせと見つけたら読んでおります。


坂東さんを有名にしたのは(死国)というホラー作品。


映画化もされ一気に坂東さんの名前が世に知れ渡りました。


しかしその後直木賞受賞作を含めてホラーからは少し離れた所で創作活動をしていた印象です。


でも物語の舞台は寂れた山村というのは、ホラー時代と同じな気がします。


今作も舞台は四国の山奥の山村。


東日本大震災の原発事故により東京にも放射能の影響がある事を恐れた夫婦は、夫の早期退職を期に四国の山奥に移住する事を決めます。


山の裾野に土地を買い、ログハウスを建て、ゆっくりと静かな老後を送る予定で引っ越して来ました。


田舎ならでは人付き合いの難しさを懸念したのですが、周りに居る老人建ちは良い人で一安心。


しかし夫の趣味である陶芸用の焼き釜を建てた事から、村人の態度が一変します。


その場所は村の神社と山の神社を結ぶ赤線と呼ばれる、昔ながらの山道で、村人達は祟りがあるから、直ぐに移動させてくれと訴えてきます。


しかし主人公夫婦は自分が買った土地の中で、建てるのにお金もかかっている事から移動を拒否します。


その事が切っ掛けで、表面上こそ変らないものの、数々の嫌がらせが始まります。


猫の死骸が吊るされてたり、車をパンクさせる為に刃物が埋められていたり、などなど。


尚且つ以前にも同じ様に村人から嫌がらせをされて、死んだ人まで居るという噂も聞きます。


次第に精神がおかしくなっていく妻。


果たしてこの結末は?


という内容です。


相変わらず閉鎖された山村の不気味さを描かせたら日本一の坂東さん。


今作も不気味で背筋がゾクゾクします。


怖いとまでは感じませんでしたが、閉鎖された世界だけに通用する因習の気味悪さはよく伝わりました。


震災の話を初めに入れたのは、どうかと思うけど、まーギリありでしょう。


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