「レイクサイド・マーダーケース」 (日、2004年) | 無節操ニンゲンのきまま生活

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2015年2月よりイギリス・オックスフォードの近くで生活しています

ポニーキャニオン
レイクサイド マーダーケース

東野圭吾さん原作の「レイクサイド」はまだ未読なんだけど、

東野さん作品、さらに主演が役所広司なら期待も高まるわけで(笑)

監督は「ユリイカ」「チンピラ」の青山真治監督

出演は役所広司、薬師丸ひろ子、柄本明、豊川悦司など、地味に豪華なメンバー。


カメラマンの並木(役所さん)は妻の連れ子であるマイカを我が子のようにかわいがっていたけど、

エリコという愛人がいるため、妻の美奈子(薬師丸さん)とは別居状態。

そんな中、マイカが私立中学を受験するために、

親子そろっての合宿に参加することになったのだが、

そこで愛人の乱入、果てには殺人事件まで起こってしまう・・・というお話。





まず○なところ。

役者さんがみなさん上手な人ばかりなので、

音楽を少なめにしてセリフと生活音だけのシーンを多くさせたのはよかったと思う。

みんなが集まって話し合う緊迫する場面があるんだけど、

一人一人がうまいから、緊迫感がひしひし感じられて

見てるこっちはつい引き込まれていきます。


話の展開もサスペンス~。


この合宿には3組の家族と塾講師(トヨエツ)が参加しています。

合宿所には医者の柄本明家の湖畔にある別荘を使用。

受験のために家族円満に見せるため、妻との悪化する関係を気取られないように

気をつけていた並木ですが、

そこに突如愛人登場。


愛人は「家族は壊さない」と言いながら何しに合宿所まで来たのか?

しかもなんで帰らないの?

奥さんとのニアミスは?

なんで奥さんの写真を愛人が隠し撮りしてるのか?


妻と愛人という、どっからどうみても修羅場な状態を

役所さんはハラハラしながら見てるわけです。

どうなっちゃうのー!と思いながら見ちゃったよ。



ここから薄字部分ちょっぴりネタバレなのでご注意を。

そんな中、愛人にこっそり呼び出され外出した並木は

愛人と会えずに合宿所に帰ってくると、なんとそこに愛人の死体が。

話を聞けば、妻が愛人に離婚を迫られて殺したという。

受験を控える子供たちのためにこの殺人を隠ぺいしようとするほかの親たち。

並木としても、妻が愛人を殺しちゃったわけだから、

隠ぺいに抵抗を感じながらも協力する羽目に。


ネタバレ終わり



うまい役者さんの中でも、特に柄本明が不気味~ ̄□ ̄

殺人隠ぺいのために動くんだけど、これが実に淡々とのらりくらりとしていて、

それがかえって薄ら寒さを倍増させている。


それと個人的には

鶴見辰吾と杉田かおるの夫婦役に楽しませていただきました^-^

知る人ぞ知る、金八先生「15歳の母」のときの当事者とその相手ですもんね~。



残念だったのは、

前半の盛り上がりに比べて、後半の謎解きの部分があっさりしすぎていたところかな。

並木が状況の不自然さを見つけてそこから真犯人を探し出すんだけど、

あまりにもさっくりうまく行きすぎ。

せめて見ている人に考える時間を与えて欲しかったな。


真実は二転三転するんだけど、

ラストの結末も「え~」って感じ。

なんだよ、結局全員どっかおかしいんじゃないの。

結局は、子供のためにいいと思う方向が完全にずれていて、

それに気づかない愚かな親どもが起こした顛末、という感じ。

社会も親も子供も狂ってる。

唯一そのゆがみに気づいてる役所さんには愛人がいる。

結局まともな登場人物が1人もいない、

見方によっては救いようがないラストでした。



真犯人は・・・・反転させて見てね


ここから


並木の妻が殺したにしては不自然過ぎるし、

人の家で逆上して殺すだろうか?

この疑問を感じた並木は、愛人の持ち物の中から裏口入学の証拠写真を見つけます。

そこから真犯人は塾講師・津久見(トヨエツ)と断定。

ところがさらに真実には裏があって・・・

結局真犯人は、自分たちの入学の邪魔をしたという動機で

合宿参加中の3人の小学生たちが殺したということなのだ。

 ̄◇ ̄そんなオチかー


ここまで



ミステリーというよりは社会派サスペンスとでも言える作品です。

・・・・ドラマでもよかったかな^-^;;