罪を犯さずにすんでいる。 | 生涯、キリギリス 〜チャーモの部屋〜

生涯、キリギリス 〜チャーモの部屋〜

ミュージシャン(他色々)チャーモのブログです。


戦時中は帰還兵に石を投げつける人が居たという。



お国に命を捧げず生きて帰ってくることは情けない恥さらしだ、と。




今でこそ酷い話だ。





ただあの時代にもきっと、帰還兵に石を「投げつけない」人も必ず居たはずだ。






もしも今を生きている私たちが戦時中に生まれていたとして。




自分だったらどちらの行動をとっていただろう。





ニュースを見て事件の犯人や芸能人を叩いてるような人が、帰還兵に石を投げつけたり陰口を叩いたりするタイプなんだろう、とか思った。






現代でこそそれが酷い行為だと思っても、世間の風潮に従って生きれば、自ずとそうなるだろう。

当時は生還は悪であり恥だったんだから。








でも、凶悪事件のニュースを見ても殺人犯を叩かない人もいる。




単に他人事に無関心、でもあるんだろうけど、暴力を振るうのは関心の強さだ。







もしも暴力が法的に許される世の中になったら、自分は、周りは、どんな行動を取るようになるのだろう。




人を簡単に殴るようになる人もいると思う




それでも人は殴らない人もいると思う

 




世の中の風潮がどんなに変わっても、どんなに世間が、法が許しても


「人を殴ってはいけない」


と、いう信念をブレずに持てる人は必ずいる。






それこそが「まともな人」じゃないかな、なんて最近思ったりする。


 


そういう人に憧れる。




私は正直そうなれる自信があるとは言い切れない。





勝手な憶測ですが



「私だったら絶対そんな酷いことしない」



と、言い切れる人は必ずやるタイプだと思ってる(笑)





その境遇に立たされた事の無い人間が言い切れるはずはないんだよ。




それは犯罪も同じ。





人を殺す人の気持ちは分からない。



その理由は


「そこまで追い詰められた経験がないから」


であって



「自分はそんな酷い人間ではないから」



ではない。





真っ当に生きてこれたのはとても恵まれているからだ




人を殺す気持ちにならなかったのも



人を騙す気持ちにならなかったのも



覚醒剤に手を出さなかったのも



死のうと思わなかったのも



愚痴らずにいられるのも



虐待せずに済むのも



重大事故を起こさず来れたのも







みんな、そうせざるを得ないような境遇を生きずに済んだ幸運な人生を歩んで来れたからだ、と思う





無関係の人間ほどアレコレ勝手な事言って人を非難するけれど




恵まれてんだよ。人を非難出来るのは。





生まれ持った悪なんかいないし




逆に誰だって境遇次第で凶悪犯になれる







凶悪犯にならずに済んだ私は恵まれた人生を送っていると思う。




でも、これから先何かの拍子で罪を犯す人間になることも十分あり得る





「私は天使だと言い切れるくらいの悪」



って数年前、友達から聞いた言葉を最近よく思い返してる





私だったら絶対やらない





私だったらお国に命を捧げて絶対生きて帰らない



と、戦時中に戦地に行った事のない人が言ってるような感じなのかな





などと考えてた。





時代がどんなに変わっても、無法地帯でも、石を投げつけない人になりたい。





ま、当事者の被害者になれば私も加害者叩きまくったりする可能性は高いだろう





せめて、部外者である時は叩かずにいたい




出来てるかは別として、せめて意識はしておきたいと思う。





無関心と言われてもいい

 



なるべく、風潮に流されずに、叩かずにいるような人になりたいな、と思う。





で、結局のところ


 



「人を叩かずにいられる」というのが最も恵まれて幸せな状態なのかもな、と。







終わりがないな、この話(笑)





ブレない人間になりたい。