※この物語は、生まれながらに不安障害を持った男が、2018年頃から現在に至るまでに辿った『実話』である。

 

 

 なおプライバシーの関係上、全ての人物は偽名とする。

 


〈前回のお話〉





 

《第120話  ごめんね》

 

 ミナミから届いたメッセージは、

 

《この前はごめんね、仲直りしよ》

 

 その、直接的な気持ちは、俺の胸にすぐ届いた。

 

 多分、それが遠回しのものだったら、俺は開かなかったと思う。

 

 言葉で表すのは難しいけど……。

 

 どう説明すれば良いのだろう……。

 

 とにかく、ミナミのメッセージを見たとき、俺は全て許せてしまうとさえ思っていた。


 そのメッセージが届いたとき、嬉しかった。

 

 ド直球に、ごめんという謝罪と、仲直りしたいという気持ちがすぐに伝わったからだと思う。

 

 俺が既読を付けると、すぐさまライン通話がかかってきた。

 

 第一声、どうしようと不安だったけど、

 

『やっほ〜和泉ン(いずみん)』

 

 ミナミはいつものように、弾んだ声で出た。

 

 それは、俺の張りつめたものを解いてくれたのだった。

 

 

             【第121話に続く】