昭和五年に発行された全国各地(当時日本領だった樺太、台湾、朝鮮、関東州含む)の遊廓を紹介した言わば廓のガイドブック。「お上から発禁処分を受けた曰くつきの珍本」として愛好家の間では語られることが多い。
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周知の通り、「全國遊廓案内」は近代デジタルライブラリーでも閲覧が可能。氏は復刻に至った理由の一つとして「(当時の好事家と同じように)冊子の状態で掌に載せてみたくて仕方がありませんでした」と斯く語る。同じ情報を得るのでも、モニターを通じて「観る」のと、紙媒体を通じて「読む」のとでは、趣が大きく異なると強く感じるのは、私がアナログ人間である故か。
※表紙には「しやごま」を結い「裲襠」を纏った娼妓の洒落た絵。
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昭和初期に於ける各地の廓事情を伺える一冊。下記写真は目次より。
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解説は古今東西の色街に造詣の深いライターの「橋本玉泉氏」が行っている。特筆すべきは付録として掲載されている遊郭部氏による「全国遊郭案内 発禁調査記録 80年後の真実」。果たして「全國遊廓案内」は世に言われるように所謂「発禁本」だったのか?其れを氏が徹底検証。・・・・・・名文であります。