カストリ雑誌を貪り読み乍休日を過ごす。
「猟奇第三号 昭和二十二年一月十五日号」。ユニークなデザインの表紙。
巻頭には第二号に掲載された「H大佐夫人」(北川千代三作)、「王朝の好色と滑稽譚」(宮永志津夫作)の内容と挿絵に問題あり、と内務省保安、警視庁保安課より取締りを受けた旨を記した御挨拶。
如何にもカストリ雑誌然とした刺青や男色などアングラな記事で構成された誌面。その中でも斉藤昌三氏による「好色燐票志」は面白かった。
どうやら当時はエロ絵を用いた燐票(マッチラベル)が流行したようで、それらのデザインを紹介している。下記は新宿にあった性薬店白水荘のマッチ。浮世絵などで度々エロス描写として登場する巨大なタコがデザインされている。女の赤腰巻にタコが絡みつき「吸つき」と。
熱海玉の井旅館のマッチ。温泉場は風呂の関係上、裸体のデザインを描いたマッチが多いと予想されたが、家族連れを考慮したのかその数は少ない、と。
横浜本牧チャブ屋街のバー。チャブ屋関係のマッチは当時でも希少価値があった様子。
親愛なる読者諸兄の手元に、ダンスホールやカフエー、旅館、横浜本牧チャブ屋など、好色デザインを用いたマッチがあれば家宝にすべし。