住友生命いずみホール2023年年間企画「シューベルト――約束の地へ」では‘神々しくも芳醇なる’後期の作品群を様々なジャンルにわたってご紹介しています。
Vol.1公演では、
神尾真由子with Friendsの5名が弦楽五重奏曲D997を披露し、シンフォニックな弦楽五重奏をドラマチックに表現しました。
Vol.2公演では、鈴木雅明が率いるバッハ・コレギウム・ジャパンが登場しました。
バッハ・コレギウム・ジャパンが初めて取り上げるシューベルトプログラムは未完成交響曲とミサ曲第5番!
ソプラノの安川みくをはじめ、アルト清水華澄、テノール鈴木 准、バス大西宇宙の素晴らしいソロ、BCJ合唱団の美しい合唱に加え、パイプオルガンが響く、芳醇な一夜になりました。
ミサ曲の最後の一音が穏やかで満ち足りたサウンドで締めくくられたその時、暖かな拍手に包まれ、大きな感動が呼び起こされました。
そして、
11月5日(日)vol.3にはハーゲン・クァルテットが登場します。
©Harald Hoffmann
Vol.3公演について、当シリーズの企画・監修を担当する堀朋平音楽アドバイザーが、以下のようにご紹介しています。
(9/16 シューベルト--約束の地へVol.2プログラムより転載)
そのジャンルに人々が思い描いていた「期待の水準」をいっきょに乗り越えようとする衝動を、シューベルトは抑えがたく抱いていました。弦楽四重奏曲というジャンルの最終作は、その最たるもの。
2つのテーマが補いあう伝統的なロジックに抗い、道を失ってほとんど狂気の感覚にまで迫るシュルレアリスム的な風景を、ドビュッシーの傑作が彩ります。
前代未聞のコンビネーションが、またもやハレーションをよぶ一夜となります。ぜひともご期待ください。
堀 朋平(住友生命いずみホール音楽アドバイザー)
©樋川智昭
シューベルト弦楽四重奏曲作品 第13番「ロザムンデ」、第14番「死と乙女」につづく第15番はシューベルトが死の淵で作り上げた最後の四重奏曲作品です。心の中で自己矛盾と衝突を繰り返すように、幸福も必要ではなく、しかしほんの少しの安らぎを探すような。そんな世界が描かれる時代を超えた、先進的な作品です。
<ドビュッシーとシューベルト> 世紀をまたぐ異色のプログラムはいったいどんな化学反応を見せてくれるのでしょうか。どうぞご期待ください
【日時】2023年11月5日(日)14時開演
【出演】ハーゲン・クァルテット
【曲目】ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 op.10
シューベルト:弦楽四重奏曲 第15番 ト長調 D887
【料金】一般 ¥7,000 U-30 ¥2,500 フレンズ ¥6,300