7月23日(火)~昨日25日(木)まで、三木市議会の民生産業常任委員会で東北(秋田、岩手)へ行政視察に言ってまいりましたのでご報告いたします。

視察日程、項目は以下のとおりとなります。 ここでは2日目のご報告をさせていただいきます。
<7月23日>
①秋田県大仙市 農業振興センターの取組(1日目の報告はここをクリック)
<7月24日>
②秋田県仙北市 デマンド型乗り合いタクシー
③秋田県横手市 横手デマンド交通

<7月25日>
④岩手県紫波町 オガールプロジェクト
 
<②秋田県仙北市 デマンド型乗り合いタクシー>
現在、三木市では吉川地区をモデルにデマンド交通の導入が検討されていることもあり、デマンド交通が視察先に選ばれました。

仙北市のデマンド型乗り合いタクシーは、既存の民間のバス路線の廃線に伴って開始されました。
両は10人乗りのジャンボタクシーを利用し、1日10便程度、時刻表に従って運行します。
 
始発など特定の便は前日までの予約、それ以外は1時間前の予約が必要で、一人も予約が無い場合は運行しないという形態です。
そういう点では、バス運行とあまり違いは無いと思います。
 
利用者はエリア内200円、エリア外410円などの定額を利用料として支払い、運行単価との差額を市が補てんするという形で運行されています。差額補てんには年2800万円程度かかっているということでした。
仙北市は1093㎢と非常に市域が広く、集落も点在しており、公共交通を維持するためには、デマンド交通が必要な措置だと思いました。

<③秋田県横手市 横手デマンド交通>
横手市のデマンド交通は、仙北市とは全く違う方式、考え方の物でありました。
横手市の方式は「タクシー料金補助」の方式です。バス等の公共交通の空白地をカバーすることなどを目的に平成24年からスタートしました。
横手市はデマンド交通を市内の10社のタクシー会社(現在8社)から2台ずつタクシーを出してもらい20台でスタートしました。
特徴としては、「①一人でも複数でも使える」、「②誰でも(市民以外でも)使える」というものです。利用の際ははタクシー会社に電話で行い、利用1時間前の予約が必要となっています。
 
運行費用はタクシーメーターで算出され、利用者の支払う単価は、一人乗りの場合は500円~4000円までで、メーターの金額に応じて設定され、複数乗車の場合は、2人乗りの場合、1人あたりの料金は2割引き程度の単価設定となっています。
4人乗車の場合は、普通のタクシー料金よりも高くなる可能性があるという事でした。
 
利用者の支払う単価と、タクシーメーターの差額は市が補てんし、市の負担額は年4000万円程度となっています。
やはり買い物や通院での利用が多く、市の中心部への移動が多くなっています。

市の中心部はバス事業者の顧客を奪うということで反対があり、市の中心部のバスエリアでは乗り降りができないという制度となっています。
中心部に行きたい場合は、中心部から外れた地域で一度デマンドの料金で精算し、そこからは一般のタクシーとして運行するという形になっているようです。
 
市民の税金を使って、市民以外も割安で利用できる事については反対が無かったのかと質問しましたが、観光で来てもらう人にも使ってもらえるということで、特に反対は無かったそうです。それよりも「中心部バスゾーン」の乗降をできるようにして欲しいという要望が大半であったということでした。
 
平成30年度からは事業者にメーター料金から1割引きを運行費用にしてもらうよう変更したということですが、タクシー料金補助ということで、運行経費はかかってしまうなと感じました。
 
現状、三木市の公共交通機関が不便なため、タクシーでお金はかかってもドアtoドアで移動する高齢者の方も多くいます。そういう方にとっては非常に便利な制度だと思いますが、予算との兼ね合いを考える必要があります。
予算のバランスも考え、より良いデマンド交通を導入するよう、議会としても考えていく必要があると感じました。