行政視察のご報告 伊勢原市の続きです。

 

<視察先一覧>

11日 神奈川県伊勢原市 

     ①小規模校でのICT教育と英語教育(大山小学校)

12日 神奈川県厚木市

     ②公共施設の最適化推進事業

     ③マイタウンクラブの取組

    東京都町田市

     ④事務別財務諸表(行政評価シート)

     ⑤地域のごみ減量活動

 

神奈川県厚木市では2項目の視察を行いました。

 

<公共施設の最適化推進事業>

これはいわゆる「公共施設等総合管理計画」のことです。

厚木市では今後40年間で必要となる維持管理費を積算した場合、422億円の財源不足が生じるため、公共施設の集約化などによって422億円の効果額を出す取組の目標値を定めています。三木市の場合、その辺りが非常にあいまい(公共施設の縮減目標が全体で5%とあるだけ)ですので、非常に参考になりました。

 

また、厚木市では、中心市街での公共施設の最適化推進事業を平成25年度に策定しており、市役所周辺の中心地については既に民間施設跡地での公共施設の集約や、施設の移転、複合化が計画を作るだけでなく実際に進められています。

 

個別目標1 適正な規模での更新、複合化 40年間で262億円の効果額

 小・中学校 現状の75~80%

 その他施設 現状の85~90%

 財源不足を解消するにはやはり、面積的に大きい学校施設の規模の適正化が必要という考え方で取り組まれています。

 三木市では小中学校の統廃合案、義務教育学校化ということも議論されていますが、統廃合だけではなく、減築なども検討するということです。

 

個別目標2 特定財源の確保  40年間で115億円の効果額

 施設更新時の国等の補助金を充当率20%として算出

 

個別目標3 民間への移譲 40年間で15億円の効果額

 公立保育所6か所他の民間への移譲

 

個別目標4 その他の手法の実施  40年間で30億円の効果額

 統廃合、市有地の売却、民間活力の導入

 

具体的な行動レベルの目標値を定める重要さを学ぶことができました。三木市にも活かしていきたいと思います。

 

<マイタウンクラブの取組>

厚木市のマイタウンクラブの取組はwikipediaにも記事がある等有名な取組です。

三木市ではホームページのリニューアルを今年度予定しています。

元々は市内スポーツ施設の予約システムであったものを拡張して、公民館の会議室など公共施設全体の予約、図書館の本の予約、文化会館のイベントのチケット予約、市内の飲食などの個人店舗の紹介、市内のサークルなどの紹介、登録制の地域SNSも含めた非常に幅の広いポータルサイトとなっています。

 

wikipediaからの引用すると、「情報更新頻度は非常に高く、非チェーンの個人店検索が可能な上、個人店情報の更新頻度も高い。その為、地域ポータルサイトとしては異例のアクセス数を誇り、SNSの投稿には身分確認による登録が必要なため、情報の信頼性など高い安全性が特徴となっている。」

 

とあるとおり、アクセス数が多く、月27.5万件、登録者は16.6万人ということで、22万人の都市である厚木市では非常に登録者、アクセス数が多いなと感じました。

厚木市の場合、同じIDで公共施設も図書も、文化会館のチケットまでも予約できるというのが非常に進んでいるなと思います。

飲食店やサークルの情報が豊富ということもそうですが、予約のしやすさから登録者、サイトへのアクセスが多いのではないかと感じます。

 

三木市でも公共施設の予約システム(アクセス数月3000件)、図書館の本の予約システム(アクセス数月8000件)がありますが、それぞれ別個のシステムとして運用されています

一つのIDでどちらも予約できるようにするというシステムの統合も市民の利便性向上のためには重要ではないかと思いました。

 

また、行政が飲食店の情報などを紹介するというのは「公平性」などの点で昔ながらの行政感覚では紹介しづらい部分がありますが、月500円の登録制で業者の申出によって掲載するから市内の多くの飲食店の情報を掲載できるというところも大変参考になりました。

また、サークルの情報は無料で掲載してもらえます。

 

膨大な情報を処理するため、ボランティアのサポーター登録制度があり、記事作成などの支援をしていただいているようです。

 

地域SNSは予め登録した人がおこなうため、情報の信頼性が高く、2011年の東日本大震災で厚木市も計画停電などの影響がありましたが、この店では水が売り切れているといった有意義な情報がSNSで共有され、アクセスが非常に伸びるといったこともあったようです。

 

SNSについてはtwitterやfacebook、Instagramなど、その後SNSが出てきており、SNSとしては古くなっているという説明もありましたが、Facebook等のSNSはあくまで個人的なつながりでされており、地域の人が集まるプラットフォームというのは中々SNSでは難しいのではないかと思いました。

 

今、三木市では、ポータルサイトとして「みっきぃ情報みゅーじあむ」というものが運用されており、利用がそれほどないので存廃を考えるということだそうです。

やめるぐらいだったらこのマイタウンクラブの取組を是非参考にして欲しいと思います。

また、三木市のホームページも文字が非常に多く、探したい情報が見にくい状態です。

リニューアルに合わせてもっとわかりやすくしていくよう議会で言ってまいりたいと思います。