東海道53次 15.蒲原宿
一昨日(10/9)の静岡観光での話、続きです。
息子の新居の出来具合を見に行った帰り、
その晩は掛川のドーミーインで1泊して
油井~蒲原の旧宿場町を見て回りました。
残念ながら、旧東海道沿いの蒲原あたりは
昔の面影はなく、一部に古い建物が残っているだけでしたが、
その中で見つけた歴史的建造物が『志田邸』です。
中に初老の方がおられたので、少しだけ心付けをすると、
30分程度、建屋を見学しつつ、いろいろ教えてくださいました。
お金を払ってまで見学する人は本当に少ないようで、
逆にお金を払って見学した我々夫婦が
先方からするととても変わった人たちに思えた?
志田家は江戸時代慶長年間から東海道蒲原宿で
米、味噌や醤油などを扱っていた商家です。
醤油ブランドは山六醤油(やまろくしょうゆ)とされ、
昭和初期まで製造・販売を行っていたそうです。
→ 醤油工場建屋が現存しており、見学させていただきました。
建屋は安政の大地震で一部倒壊したものの、
1855年に再建されたそうです。
京都にある古い民家に似た造りで、
間口が狭く奥まで土間が通じる江戸期の典型的な町家建築です。
国登録有形文化財に登録されています。
→ 国からの補助金は出ていないそうです。
蒲原宿と言えば、この志田邸が歴史を残す代表とされ
あとは江戸時代を感じることができないようですが、
少しでも江戸時代の気分に浸れるところが残っているのは
逆に考えると奇跡なのかもしれません?
ちなみにこの地、蒲原は温暖の地です。
雪はあまり降らないそうで、雪が積もることもあまりありません。
冬に蒲原を訪れたことが無い広重が何故冬の雪積季節を描いたのか、
これは少し謎なのですが、広重の創造性が現実に無いものを描くことで
後世の我々に伝えたい何かがあったように思います。
東海道五十三次で雪景色を描いた場所は
蒲原以外には『亀山 雪晴』があります。