切手で巡る、
東海道五拾三次(43~46番宿場)
国際文通週間の東海道五拾三次完璧コレクションを使った
お江戸東京から京都までをおおよそ13~15日かけて歩く、
シミュレーションの12日目、前泊の桑名からスタートします。
43番宿場 四日市・三重川 11.平成16年(2004)10月8日発売
→ 桑名から3里8町(12.63km)の距離
→ 風ともの悲しさをテーマに取り上げています。
描かれているのは 知らぬ者どうしのすれ違い、
登場人物はお互いに背を向け、旅のもの悲しさを感じさせます。
こう言った構図は 「蒲原」、「庄野」 にも描かれる
広重が好んで使っていた十八番だったようです。
橋の上の雨合羽を羽織った旅人の顔が見えないことが
更なるもの悲しさをそそりますね。
44番宿場 石薬師・石薬師寺 16平成25年(2013)10月9日発売
→ 四日市から2里27町(10.78km / 23.41km)の距離
主題は石薬師寺、弘法大師空海作の薬師如来がある
今に続く古称ですが、何故か小さく目立たぬように描かれています。
これは風景描写に力点を置き、秋の澄んだ空気を
描写したかったためだと言われています。
45番宿場 庄野・白雨 9.平成14年(2002)10月7日発売
→ 広重の最大傑作画と言える逸品
→ 石薬師から27町(2.94km / 26.35km)の距離
鍬を担いだ土地の住人と
籠に乗った旅人が背を向け合いすれ違うものが無しさ、
「四日市」で描いた知らぬ者どうしのすれ違いが
雨降る中のもの悲しさを更に強く印象付けています。
さて、この広重画を代表する名画が、
何故ここまで切手として発行されなかったのか、
最近まで知らなかったこともあり、ちょっと不思議でしたが、
実は1957年に 「桑野」 が 「庄野」 か で、
落選した過去があったわけです。
なんとなくですが、 「土山・春之雨」 の 一風景にも
通じる描き方のように思います。
46番宿場 亀山・雪晴 6.平成9年(1997) 10月6日発売
→ 庄野から2里(7.84km / 34.20km)の距離
雪の斜面の延長線上、右上に描かれているのは
「亀山に過ぎたるもの」 と言われていた亀山城
ここを大名行列が目指す構図は、広重画でも
良く取り上げられた描き方でもあります。
東海道53次で特に人気の高い 「三大役物」 のひとつ、
「蒲原 夜之雪」、「庄野 白雨」 に並ぶ名画です。
雪景色の描き方に着目すると、蒲原が陰の雪景色であるなら、
亀山は要の雪景色、朝日を浴びた雪面のピンク色があでやかで、
上空の青色との対比がなんとも鮮やかで美しさを引き立てています。
雪が降るかはなんとも言えませんが、
暖を採った亀山での一夜は、心も温まったかも?
江戸からの距離は395.54kmとなりました。
京を目指す旅も終わりまであとわずかになりました。