切手、北斎の富嶽三十六景
No.29 甲州三嶌越
1969年10月7日発売(900万枚)
→ 北斎画の第七弾、発行枚数は前回と同じ
→ シートは10枚組。
山梨と静岡の県境にある籠坂峠を越えるあたりの三島越を、
藍の濃淡で表現された藍摺、(あいずり)仕上げで、
夏の爽やかな空気感を伝えています。
京鎌倉往還~足柄路は、足柄峠を越えて駿河に入り
竹ノ下宿(小山町竹之下)で甲斐に向かう御坂路と分岐し、
山中湖~吉田~石和~甲府を繋いでいました。
画面中央の大きな一本の木を置いて画面を切る構図、
背景に描かれた富士と絶妙なバランス感です。
ただ実際のところ、このような大木の存在は確認されておらず、
こう言った構図も北斎の心の中に描かれていた場面を
北斎画として表現したと考えられます。
以前の旅の想い出、山中湖近辺からの富士の眺めは
手前に裾野が広がり、視界を遮るものがありません。
それが故に広大な富士がさらに広大に見える、そんな印象です。