アインシュタインの戦争: 相対論はいかにして国家主義に打ち克ったか
(Matthew Stanley 著 /新潮社)
物理をかじった人であれば面白いかも?
書かれている内容はアインシュタインの伝記だと思いますが,
そこで切っても切れないのが『相対性理論』であり,
『量子論』であるので,理系向け記述が切り離せませんが,
文系の人でもわかるように説明が工夫されています.
ちょっと感動したのが導入部での『相対性理論』の説明です.
エーテルの存在に繋がる絶対座標の存在を否定すること,
時間が縮むこと,空間が縮むことを実に分かり易く説明しています.
思い起こすに,大学時代の物理の時間,
相対性理論,量子力学の授業は難解で
先生は何が言いたいのか?
物理の先生方の説明は数式ばかりで全く理解できませんでした.
→ いきなり数式を黒板に書き連ねる講義は眠いだけでした.
興味も湧かないし,聞く気もしない...
本書で展開される,まず何故,相対論が提唱されたかの背景から,
エーテルと言う間違った概念が否定されなければならない歴史的背景,
光の速度が絶対不変であると言う思考実験からの導きで
それを説明するには時間が縮み,空間が縮むことを導いた背景は,
物理の素養が少しでもあればわかる説明になっています.
大学の講義も,こんな風に説明してくれればよかったのに...
まだ全部読んでいませんが,
理系人間なら読みふけってしまいそうな
アインシュタインの関わる成果をまとめた1冊で
大変興味深い内容です.