こころ 曇りのち晴れ Dr.あやこ精神科医の処方箋
(北村絢子著 / 山梨日日出版社)
こころに響く言葉でつづられた短編集
本書は,韮崎東が丘病院委員長の北村絢子先生が
山梨日日新聞の隔週水曜日のコラムに投稿していた,
『Dr.あやこ精神科医のしあわせ論』 全71回
2015年7月1日から2018年6月20日まで掲載されていた内容を
加筆・修正して書籍版にまとめ直した単行本です.
あらゆる世代のこころの悩みや病に向き合った
筆者が得た結果の集大成と言える内容です.
前向きに生きるためのヒントがたくさん書かれており,
きっと悩みを多く抱えている読者への良き参考書となるはずです.
精神科医のこころの病との葛藤については
これまでたくさんの書籍で読んできましたが,
本書の内容はその中でも優れていると思います.
書かれている内容が理屈というよりも,
こころに寄り添った相手のための投げかけになっている印象が強いからです.
人のこころの奥底は読めないものです.
これは夫婦間であっても,子供との関係性とでも
読めない相手の気持ちを大前提に考えていく必要があり,
他人に対しては心の奥底や考えていること,
気持ちなんて読めるわけがないと
考えるべきだともいわれているように思います.
北村先生の71篇のコラムの中には,
必ずこころのどこかに問いかける一言,
そんな一言が読者の胸に突き刺さるのでは?
こころに癒しが欲しいと思っている方々に
お勧めしたい書籍だと思っています.