SEAD_人材 | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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SEAD_人材

この水曜日(6/21),都内のセミナーに参加しました.
そのあと帰るまでの時間,久しぶりに早稲田キャンパスを訪ねました.

早稲田のキャンパスを訪ねるのは何年ぶりでしょうか?
東西線の出口を間違ってしまい(汗),ちょっとうろうろしてしまうほど...

その日は無理を言って,指導教官だった井上先生にお時間をいただき,
1時間ほど近況報告したのちに,夕刻から井上先生のお勧めで,
組織学会の丸の内セミナーに参加しました.

最近,ほとんど勉強しておらず,久しぶりの経営学に関する勉強会参加で,
→ 組織学会の定例会(月一)で三菱地所共催の丸の内セミナー
実に興味深いお話を伺うことができました.

その日の講演者は一橋大学の延岡健太郎教授,
技術経営に関わる国内の第一人者です.
ここで出てきたのが SEAD人材の育成が企業の生命線
という話です.このSEAD人材とは?

 S: Science
  E: Engineering
   A: Art
    D: Design

これら4つの視点を兼ね備えた人材であり,
機能重視に固執した製品開発の日本では,
こういった人材が育っていないとのご指摘です.

例えば,3Dテレビ,どこに行ってしまったのでしょうか?
製品に機能付加することで製品価値を上げようとして
失敗した典型例で,このほかにも,お財布携帯,ワンセグ携帯,
Apple iPhone に敗北したこういった技術も,
最終的には製品の価値創出に失敗したとあります.

製品価値は,機能だけで創出されるのではなく,
まずはデザイン,顧客ニーズを巧みに拾い上げ設計し,
ここにはアート的視点も,これは設計者の自己満足であっても良い
芸術的な視点を織り込む(いわゆるこだわり)ことが大事で,
トータル的に価値ある製品を作り出さなければなりません!

こういった設計ができる典型企業が Apple であり,
国内では マツダ の価値創出が紹介されていました.
こういったモノづくりには技術者にも文化的な視点,
デザインやアートがわかる人材が必要であり,
これからの製造業の人材育成にこのような視点が必要だとされています.

文化的な視点が技術と融合している分野の一例は建築であり,
建築学は単に建物を建てるだけではなく,デザインがその価値を決める
大きな要素であることは周知のとおりです.

このような視点が電気電子工学にも必要だということです.
→ 自動車にもデザイン性はすでに織り込まれていると思います.

最近,こういったアカデミックなお話を伺う機会がなかったので,
実に勉強になり,刺激にもなりました.

機能付加だけではない製品設計,
口で言うのは簡単ですが,なかなかできないのが日本のモノづくりで,
これができるようになれば先々生き残れる,
延岡先生が言いたかったのは,そういうことだったと理解しています.