日米キャリア支援の大きな違い | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

イメージ 1

日米キャリア支援の大きな違い

今日(6/8)の日経新聞,私の履歴書からです.
今月(2017/06)は建築家の谷口吉生さん,
GSD(ハーバード大学 Graduate School of Design)への
米国留学中における経験の中で,興味深い記述をされています.
卒業を迎えた学生の数は半数に満たなかったと回顧しています.

 兵役に就く者,学費が尽きる者
 『君は建築に向かない』と教授に言い渡される者

 一流大学に入学したからと言って,それにかじりつく日本とは異なり
 目指す道と自分との適性が無いと判断したら,もしくは判断されたら
 目指す道を切り替えることが珍しくありません.

教授に才能がないと言われた学生の反応もポジティブで,

 『才能がないと早くわかって,時間を無駄にせず済んだ.』

 明るく笑顔で大学を去ったとあります.

団体で評価する日本とは異なり,米国では個人というものを尊重しつつ,
これにはいい面と問題がありますが,
個人に力がある場合は,大きく力を引き出してくれます.
ただ,力不足であると,キャリアを切り替えるべく,
君はこの仕事は向いていない,
つまり,仕事のセンスがないことをはっきり言われます.
これは,受け手によってはかなり辛いことでもあります.

米国では,本人の思いも当然存在しますが,
そのキャリアを支援する人のプロ度が高く,プロの助言であり,
キャリア支援を結構真摯に受け入れる土壌が出来上がっている印象です.

大学でのキャリア支援に関して,
米国ではキャリア支援に関わる者はその学術分野に秀でた資格,
修士号を持たないとその業務にあたれないことになっており,
 → CDAを学ぶ中で知りました.
その助言の在り方にはかなりの専門性が存在します.

大学教授にしても,その教育の中で学生を指導するので
学生とその学生が目指すキャリアの適性を第三者的に
的確に判断することができるようです(ここは予想ですが!).

翻って日本では,大学の就職課で専門の勉強をした人は一握り,
最近でこそキャリアカウンセラー資格を持つ人が
その業務にあたるようにはなっていますが,
修士号資格者しかキャリア支援ができない米国とは大きな差があります.

日本のキャリア支援の問題のひとつは,
専門知識の少ない大学の職員が,自分なりの,過去の古い慣習で
なんちゃってキャリア支援をしている場合もあることです.

学生の意見を尊重しつつ,目指すキャリアとの適性を
専門知識に基づいて導いてあげる,そんなキャリア支援は
今の日本の教育の中でかなり遅れた部分だと思っています.
これができれば,就職した際に発生するミスマッチを
少なくできるのではないかと感じています.

それが今日の谷口さんの記述の中から再認識できたわけです.