謙虚なコンサルティング | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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謙虚なコンサルティング
クライアントにとって「本当の支援」とは何か
(エドガー・H・シャイン著, 金井壽宏監修, 野津智子翻訳)

コンサルティングのカウンセリングのへ融合といえる考え方

一般論ですが,コンサルティングとカウンセリングの違いは,
下記のように定義づけされている場合があります.

          コンサルティング   カウンセリング
関係性      上下関係         対等
声を出すのは  コンサルタント     カウンセラー
必要なもの    成功実績        信頼関係
専門性      極めて高い        高い
       (クライエントニーズ)  (心理学的理論)
回数      計画的(中長期)     複数回
契約       あり           あり(クライエント判断)
                    

本書では,コンサルティングにカウンセリングでいわれている,
クライエントとの対等な視線の元,信頼関係を構築して,
これまでの上から目線(コンサルタントが上の関係)を改める,
これがレベル2と言われる関係だと説いて,推奨しています.

人間関係のレベルを下記の4段階から説明しています.

レベル -1:ネガティブな敵対関係.囚人や奴隷,異なる文化圏の人,
       犯罪者や詐欺師の犠牲になる人など

レベル1:個人的知り合いではないが,相互を同じ人間として扱う関係
      礼儀をわきまえたレベルでの会話が成り立つ
      医者や弁護士が患者やクライアントに見せるような姿勢
      ほどほどの距離を保つ関係性 → 世間的にはこの関係が多い!

レベル2:ほどほどの距離感で,必要な他人ではなく,もっと個人的な話のできる関係
      深い信頼が構築され,率直さを見せても壊れない関係

レベル3:深い友情や愛情,親密さをもった関係
      → 恋愛関係や血縁関係に近い?

レベル-1と3は通常のお付き合いでは議論できないので,
レベル1と2の違いを意識すべしと説いています.

レベル2の関係を構築することが,ビジネスでもそうですが,
あらゆる人間社会の関係性の根幹であり,
コンサルティングにおいてもカウンセリングと同様な
クライアントとの真の人間的な関係性を築く上でとても重要だと説いています.

シャインは名高い経営学研究者で,素晴らしい業績を残しており,
カウンセリングの世界でも 『キャリアアンカー』 が
(日本では?)その代表的な代名詞であり,
キャリア理論に関するの数多くの業績を構築しています.

そのコンサルタントでもあり,
カウンセラーでもある経営学,
且つキャリア支援の大家が最終的にたどり着いた結論が 

 『信頼関係の構築』 が すべての関係性の根幹であり,
 従来のコンサルティングへのカウンセリング的視点の融合,
 これはロジャーズが提唱する,
 共感,受容,自己一致の融合といえるように思いました.

   よい関係性は 信頼関係 があってこそ!

良い関係性,信頼関係の構築はカウンセリングの世界では,
ある面常識ですが,コンサルティングの世界も意識すべきで,
コンサルをする場合の成功要因の一つでもあると説いています.

 謙虚なコンサルティングとは,クライエントと信頼関係を構築
  → レベル2の関係性の構築に相当
 カウンセリングの基本である,クライエントに語らせるための支援であり,
 コンサルタントが解決方法を押し付けるわけではないということです.
 
コンサルティングも,
結局はこの領域に到達したことをある面妥当な成り行きだと理解しています.