自分の目を信じる
今月(2017年3月)の日経新聞,私の履歴書からです.
実は最初は Joe D. Price どこかで聴いたような...?
話が進むにつれ,『あっ,そうだ,若冲だ!』
思い起こすに昨年の11月13日
滋賀で単身赴任,家内も滋賀に留まることが多くなり,
せっかく関西にいるんだからと,
初めで母校の同志社大学 Homecoming Day に参加しました.
何年ぶりか忘れるほど久しぶりに出向いた母校での楽しい時間を終え,
家内と別々に散策をしていたので,当時,相国寺で開催されていた
→ 寺の中にある承天閣美術館催しです!
生誕300年記念 伊藤若冲展
に足を運びました.
家内とも相国寺で合流,一緒に観覧しました.
→ 相国寺は同志社大学今出川キャンパスの北に隣接し,
学生時代にはランニングコースの一部でもありました!
素晴らしかったですね!
全てがオリジナル原画ではありませんでしたが,
コロタイプ印刷による精密に復元された
『動植綏絵30幅』(どうしょく さいえ)は
色鮮やかでその美しさたるや,言葉に出来なかったほどです.
→ 若冲と言えば ニワトリ? これが何故
ここまで艶やかに美しく描けるのか,不思議なくらいでした!
Joe D. Price とは,どんな人か?
1953年にニューヨークの古美術店で伊藤若冲『葡萄図』に出会ってから,
世界でも有数の日本絵画コレクションを築いた美術収集家です.
特に昨今注目されているのが,伊藤若冲を中心に当時日本で
あまり人気のない作家モノを自身の目で買い付け,
『Joe D. Price Collection』
として日本に逆輸入したことです.
日本人が見抜けなかった日本的美術の素晴らしさを
自身の目を信じて,それを世界に認めさせたヒトです.
彼が言うに,何故そんなものを買うのか? に対して
『自分の目で気に入ったものしか買わない!』
この 『自分の目』 つまり自分を信じて が
日本人にはなかなか出来ないように思います.
また,3/19の紙面では更に驚きました.
→ 単に小生が芸術学に疎いだけなんですが(汗)
自然光で輝く日本画 金箔や砂子,変わる表情
『私のコレクションを貸し出す展覧会では
常々自然光を取り入れられる空間で
展示して欲しいとお願いしている.』
これには本当の意味で驚かされました.
美術収集品を自然光に曝すなんて……あり得ない?
でも,彼は,
絵画の寿命を落とすといった,絵画の寿命を長くする扱いが
美術館には必要だろう.
だが,果たして画家はそれを喜んだだろうか?
しかるべき環境でこそ美術品は輝くのでは?
仮にこれを,日本人の美術収集家が言ったとして,
世間の反応はどうか? おそらく,
『この人馬鹿じゃない,もしくは相当の勉強不足?』
日本人はこう言った反応を著しく恐れますが,
欧米のヒトはそう言った自分以外の反応を自分の中で
納めてしまう能力があるように思います.
→ 世間の目ではなく,自分の目を信じる!
少々考えるに,世間にいわゆるユニバーサルな
どこに行っても通用する 常識 なんて存在しません.
例えば,我々の社会では殺人は犯罪,絶対にやってはいけないこと!
ところ,戦場で人を殺せば英雄,勲章だってもらえる.
人を殺してはいけないという当たりまえの事ですら
時代,場所,環境,世相,種々の要因の中でヒトの考え方や
捉え方は一様ではないのだから,世間的にどう見られているかを
自身への価値判断だと決めつける必要性は必ずしも無いはずです.
でも,日本人にはこれが出来ない?
いい意味でも,悪い意味でも,これが国民性だと思いますが,
世間的な見え方からしか自身を評価できない,
他人と比べて自分はどうか...みたいな...
それだけだと少し寂しい気がしますよね?
Joe D. Price と言うヒトの生き方を知るに際して,
自分はどうあるべきかを再度考えてみよう...?
そんな気づきを与えてもらったように思います.
自分の目を信じて,自分らしく生きると言うことですね!
とはいえ,
正直,なかなか出来ないんですけれどね(汗)!