ルネサス甲府譲渡の交渉にかかる時間の長さは? | 都の西北 / 山梨 / 甲府 / 愛宕山からチトフナ(世田谷)に!

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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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ルネサス甲府譲渡の交渉にかかる時間の長さは?

昨晩(6/21),中国からやっとのことで返ってきたので,
読めていなかった新聞3日分を朝から読み進めて,
ちょっと古い記事になりますが,6/20の山梨日日新聞からです.

 ルネサス甲府工場 10月末の譲渡困難
  交渉遅れ,大量離職か

このタイトルに 『交渉遅れ』 とありますが,
そもそも会社の M&A 案件を数ヶ月でやれるわけがない?
やった人であれば分かると思うのですが,ここでの『遅れ』は
真剣に交渉している裏付けと捉えるべきだと思いますね.

 会社のデューディリジェンスは調査が最低でも3ヶ月
 そこから資産分析が3ヶ月,その結果が出るまでにも
 半年(最速で)はかかるのが常ではないでしょうか?

 会社を簡単に買ってしまうと,あとで大きなツケが回ってきます?

交渉が始まったのが4月初旬(実はもっと早かったかもしれませんが?),
この段階で5月中に結論なんてとんでもない,
普通に考えると年内に大きな方針が決まったとしても早いほうでしょうか?
こう言った交渉事,売る方は高く売りたいし,買う方は安く買いたい,
雇用問題は売り手にも買い手にも共通するシリアスな話,
こんな交渉事を粘り強く進めるわけで,話が簡単にまとまるわけがない
そう考えて当然だと思います.

問題はルネサス本社が10月末に甲府工場閉鎖を公にしていることで
この期日に併せた交渉は無理がありますね?

一番大きな課題は 『雇用問題』,どこの会社もそうですが
可能な限り大きな人員,特に固定人員はかかえたくないのが本音でしょう.
特に給料が高くて実務をやらない間接人員や管理職は必要最小限にしたい.
30歳前後の社員を中心に製造現場を作りたいところですが,
昨今の景気でどこの製造現場も平均年齢が上がっています.
この点をどうするか,この交渉だけでも簡単にまとまらないのが
会社の売り買いをする M&A の難しいところです.

紙面によると,甲府工場を買いたいと言っている
液晶パネル加工の「グラス・ワン・テクノロジー」(東京)との
交渉は10月末までにまとまらない見通しで,
工場が閉鎖される方が,たとえ買収が決まったとしても
期日的に先に来ると大量の離職者が出てしまいます.

ただ,これは買い手の狙い通りに運んでいるとも言えます.
条件付きであっても,現状社員を受け入れることは余りにもリスクが高く,
まずは全員解雇してから新規で雇用契約を結び直すのです.

 一端解雇された社員から条件のいい人のみ採用,言わば作戦ですね?
 → これは年齢を加味したコストパフォーマンスの善し悪しで選別する?
   オペレーターは派遣社員や契約社員で回すのが良いでしょう.
   正社員は班長,主任さんレベルのみとする,
   これは中小企業であればどこでもやっている話ですから...

加えて,ルネサス社員の給料は格段に高いので,
大幅減の給料を地元に残れると言うだけで
どれだけの現社員が受け入れられるか,
 → 当然組合もなくなりますから,今までのようには行きません.

 これらの交渉にかかる時間はまだまだ必要だと予想しますね?

 ただ,交渉がまとまれば,それはそれで良い方だと思います.
   破談の可能性も大いにあるように思いますね...?