部長の資格 / アセスメントから見たマネジメント能力の正体
(米田巌著/ 講談社現代新書)
言動特性こそがマネジメント能力,言葉の重みを再認識しました!
課長と部長の違いから始まる本書における部長の考察は,
その職務についてまとめられた著者自身の調査結果や,
ヒューマンアセスメントから得られた部長職の仕事ぶりや様々な言動を取り上げ,
マネジメント能力との関係,人材育成の在り方を解説しています.
マネジメント能力は言動特性から測れるモノらしく,
人材育成は個人の言動を換えることとあります.
その言葉は部下,上司にどのように影響を及ぼすか,
本書を読むとその発言が想像以上に大きな存在感あるモノ
として捉えられていることに驚きを感じるところです.
また,課長と部長の大きな違いは変革者としての新たな価値創造者たり得ること,
それは他部門への影響力があると共に,
場合によっては全社への影響力すらあるためだそうです.
会社の経営はトップマネージメントで動くわけですが,
このトップと各部門のつなぎ役をすることも部長の仕事で有り,
この職制が機能していなければ組織がうまく回らなくなります.
だから部長の職務が会社全体へ及ぼす影響力が大きく,
大手ではその会社の部長を数人見ればだいたいの会社の力量が分かるそうです.
確かに『組織の器はトップの器そのもの』ということもあり,
そのつなぎ役である部長職務の重要な位置づけですよね.
実態ベースでは,
課長に比べ部長の方がその能力開発プログラムに沿って
人材育成されていない場合が多く,職制達成能力のばらつきが大きく,
このことが部員からの不満が多い理由でもあるそうで,
部長の職制に関わる教育プログラムの実践が重要でもあります.
と言う事で,能力開発のポイントに関してもまとめられています.
ただちょっと掴みにくいところもあり,
もう少しかみ砕いた具体例が挙げられると更に読みやすくなると思いました.