「成功の型」を知る 起業の技術(浜口隆則著 / かんき出版)
起業での基礎力は社会人としての基礎力と言える
本書は中小企業向け経営コンサルを展開する著者の
Know-How を集約した教科書的存在,
内容の充実度,読みやすさ,
そしてワークシートをふんだんに折り込んだ実用性に富み,
起業家のみと言うよりは社会人としての基礎力育成に
役立つと思いました.就活の学生向けにも良い基礎力学習書と思います.
注目して読む視点は多々あると思います,
営業の視点では顧客との関係,顧客への接し方,
これが最終的にビジネスに繋がるには顧客に積極的に売り込んではいけない等,
人間の心理学的考察を兼ねているような納得の出来る話が展開されています.
社長の視点,ここでは起業ありきなのでまずは中小企業向けの小集団を
率いる心がけや準備が説明されていますが,
読み解くと大手企業であっても部門長では同じ意識が必要と感じました.
部門長は本社の意向や会社トップからのミッションを受けるわけですが,
あるまとまった集団の取りまとめとそこでの責任を委任されます.
本社を元請け,自身を下請けの中小企業,部員を社員と考えれば
まったく同じ理論を展開できます.
特に組織づくりの考え方におけるチームビルディングの有り様は
大変参考になります.どんな組織創りにも共通する概念がまとめられています.
起業家向けの実用書と行った狭い視点だけではなく,
大きい会社で働く人にも,会社人としての基礎力を育成する上の良書と言えます.
財務指標は書けなくても良いが読める必要はあるとの指摘にもまったく同感,
大手の特に研究職なんて財務指標がまともに読めない人は結構多いように思います.
お金の管理の重要性についてもしっかり述べられており,
企業における収益を上げることの重要性を再認識できます.