案外役に立っていない経営学?
今日(5/22)の日経新聞朝刊,経済教室からです
経営学は役に立っている?
これは良く議論されるテーマですが,会社にいて感じるのは
経営者でまじめに経営学を勉強しているヒトは非常に少ない,
もしくはやっている暇がない,と言うところでしょうか?
この背景にはいろいろな理由があるように思います.
まず,ビジネスでの経営と学問としての経営学に大きなギャップがあると言う事.
よく言われる話に,経営学の先生方に会社経営をさせてうまくいくか?
実際に会社を経営している先生もいなくはありませんが,
いわゆるサクセスストーリーを実際に画に描ける方はほとんどおられません.
ただこれは目指す方向が各々違うので,当たり前の話かもしれません.
加えて,個々のフィールドでの独自性に対してKnow-How を構築したい実務家と
対して,理論体系を一般化しようとする学問を追求する学者では
本来接点が見いだしにくいのかもしれません.
効果を得る即効性に欠けると考える実務家が少なくないので
忙しい仕事の合間に,なかなか本気で勉強出来ないと...?
また,実際のビジネスの場は結構泥臭いことへの対応が多いですし,
学問のように整然と整理できることはほとんど皆無でしょうか?
例えば,人間関係(誰々がどうだとか,あいつは気に入らんとか)
資金繰り(気まぐれな銀行への対応),経費管理,顧客対応(社交性),
人事管理(雇用,給与支給,人材育成,査定),上司への対応(人間関係)
案外,きれいな体系だった流れで業務を進められることはほとんど無いと言う事です.
また,経営学は学問ではあるモノの,過去の事例研究でしかないとも言われており
(ただ,そこから新しい理論や傾向等は見いだすことが可能です)
自然科学系の新しいモノや知見を作り出す研究とは時間軸が違うように感じています.
過去の事例を取り込むことは同じ失敗を繰り返さないといった視点では
意味があるように思えます.それをどう考えるかですね.
ビジネスパーソンは経営雑誌や専門誌をそれほど読んでいない,
また研究内容もビジネスの世界にあまり大きな影響は与えていないそうです.
経営学の知識の多さと収入の多さには相関もないそうです.
ただ,個人的には経営学なる学問,実務家であっても実におもしろい
やる価値の高い知的な楽しみと捉えています.
これも個人のとらえ方なんでしょうね....