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2004年12月に山梨県に移住,15年を過ごした後に
2020年3月に世田谷に引っ越しました!

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時代の流れ,技術の主役交代期にあるHDD

今日(1/25)の日経新聞朝刊からです.

日本電産,1転9割減益
 今期,主力のHDD部品不振  生産能力3割削減

3月期の純利益が見込みの500億円から45億円に大幅減益,
HDD用のモーター生産能力を3割削減するそうです.
成長路線が帰路に来たことを示しています.

 小生が尊敬する永守社長曰く,
  『パソコンの縮小が2年早く来た』

かつての小生,HDDに関わる新規ビジネスをまじめに考えていた時期があり
開発をこれ一点に集中,当時はSSD(フラッシュメモリーを媒体とした記憶素子)と
どのようにエンド製品が切り分けるかをまじめに議論していました.
当時の議論には当然,スマートフォンの存在は加味されておらず,
PC,サーバーなどの既存製品で HDD vs. SSD の構図を検討,
HDDは価格面で優位であるとから継続して
ビジネスでの優位性を保つ面があると推察していました.
 → 素人の朝知恵だったと言う事です(反省)!

ところがスマートフォンではHDDが介入する余地がまったくありません.
携帯性,サイズ,電力消費効率,振動に対する信頼性,スピード,
どれをとってもHDDを記憶媒体として活用する可能性はゼロに等しく,
もはや携帯端末の記憶媒体の勝敗はSSDとなりました.

 PCの領域にも SSD はかなり食いこんできていることも周知です.

日本電産の苦戦はこのような技術の流れに沿った背景から来るモノで
これを事前に予想することは困難だったと言えるでしょう.
当時を振り返ると,小生の場合ですが,
ビジネスの撤退を判断したことは正解だったと思いますが(結果的に),
これは現状を予想してではなく,当時でも採算が取れなかったからです.

 このときに問題となったのは現状生産設備の維持費
  (特に人件費,加えて開発費等の間接費)
 さらに,新規投資が必要となります.
  → 費用をどう回収するかです...

昨今の半導体企業がビジネスから撤退していく背景もまさにこの構図,
技術があるから商売になった時代とは明らかに違ってきている,
技術優位でのビジネスモデルはもはや通用しないように思えます.
技術に何かを加えなければ....

ビジネスの浮き沈み,簡単には予想は当たりません.
日本電産ですらこうなんですから...